眼科医が警鐘、スマホ依存者「眼球変形」のリスク 多くの小学生が眼軸長伸びる「軸性近視」を発症
まったく見えない全盲状態である「医学的失明」はもちろんのこと、このような「社会的失明」や「機能的失明」でも日常生活や仕事・学業などに大きな支障をきたしてしまうことはお分かりでしょう。
人生100年時代という超長寿時代を生きる彼が、わずか16歳の若さでものがダブって見える病気を発症したことは、残り80年の人生の質を、これほどまで大きく下げるのです。
近視患者の急増はパンデミック
「急性スマホ内斜視」だけでなく、世界的に大きな問題となっているのが、「近視人口の急激な増加」です。新型コロナウイルスの蔓延に伴うステイホーム、「巣ごもり」の影響もあり、ここ数年のスマホによる近業時間の増加で、近視が進行するという傾向が世界的に見られています。
オーストラリアのブライアン・ホールデン視覚研究所は、2010年には約20億人だった近視人口が、2050年にはなんと約50億人になると推計しています。これは世界人口の半分です。しかも、このうちの9億3800万人が、「強度近視」になると予測しています。
WHO(世界保健機関)は近視人口の急激な増え方に対して、「深刻な公衆衛生上の懸念がある」と警告しています。近視患者の急増は、まさにパンデミックと言えます。
「強度近視」というのは、近視が進行して発症する強度の近視です。実はこの「強度近視」は、日本人の「失明原因」の第5位にあたります。さらに言うと、第1位の「緑内障」や、第4位の「黄斑変性症」の発症に関しても、近視との強い関係が指摘されています。
特に近視問題が深刻な中国の都市部では、失明原因の第1位が「近視」とされていることもあり、かなりの危機感を持って対策がとられているようです。オーストラリアや台湾でも、やはり国を挙げての先進的な近視研究が進められています。
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