萩生田氏を交代できない岸田首相「弱腰人事」の訳 復興相と総務政務官の交代のみ、政権は機能不全

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岸田氏と萩生田氏
岸田文雄首相(左)と萩生田光一政調会長(右)(写真:ブルームバーグ)

「萩生田さんが政調会長でいるかぎり、岸田首相はやりたいことはできないね」

年末年始の内閣改造がささやかれる中、ある自民党幹部はこう語った。

岸田首相が防衛費倍増の財源として増税する方針を示したことで、あぶり出された岸田官邸と安倍派を中心とする自民党保守派との対立。年明けもこの対立が続くのは確実で、岸田首相が人事で何らかの手を打つのかが焦点だった。

しかし、岸田首相は結局、内閣改造・党役員人事には踏み込まず、秋葉賢也復興相と杉田水脈総務大臣政務官の交代にとどめた。これにより岸田政権は内部に火種を抱えたまま、2023年1月下旬の通常国会を迎えることになる。

自民党内は「学級崩壊」さながらの様相

7月の参院選までは報道各社の世論調査で60%近くあった内閣支持率はみるみる下落し、12月は軒並み30%台まで下がった。

これは岸田首相のみならず、松野博一官房長官をはじめとするチーム岸田の機能不全により、国会運営や閣僚の不祥事に場当たり的な対応が続き、政権運営能力に疑問符がついたことにほかならない。年明けの通常国会での本格論戦を前に、態勢の立て直しが必要だった。

とくに12月に入って浮き彫りになったのが、岸田官邸と自民党保守派との対立の根深さだ。

岸田首相が示した法人税などの増税方針に対して、安倍派の中堅若手議員から「内閣不信任案に値する」などの強い反発が巻き起こった。また保守派の代表格・高市早苗経済安保相が、「首相の真意が理解できない」「罷免されても仕方がない」と公然と異を唱えたほか、安倍派の閣僚や党幹部からも異論が出て、自民党は学級崩壊さながらの様相となった。

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