また、長谷川さんのご両親がとてもやさしく、「家族全員で大事にしますね」と言ってくれたことも心を動かしました。そういった積み重ねの努力で、さやかさんの不安は徐々に解消。さやかさんのご両親も、「これなら娘を安心して送り出せる」と確信を持ったようでした。
いよいよ長谷川さんはさやかさんの実家にあいさつに行くことになりました。ふだんエレベーターか自転車にしか乗らない長谷川さんが、はるばる飛行機に乗って行くだけでも一大事です。
実家までの間にゲームソフト店をみつけて寄り道するなど長谷川さんらしいマイペースな行動もありましたが、なんとか実家にたどり着き、無事にごあいさつし、食事をごちそうになって帰京しました。
またしても「考えたい」という返事
長谷川さんから報告を受け、「やっとここまで来たか⋯⋯」と胸をなでおろしたのもつかの間、1本の電話がかかってきました。さやかさんから再び「少し考えさせてほしい」という連絡でした。
実は長谷川さん、あいさつにいった際、こういったそうです。「家には資産がありますが、僕はあまりお金を持っていないんです」。それを聞いたさやかさんのお父さんは、一回りも上で色々な面で頼りがいがあるのだろうと思っていたので、急な告白にビックリ。
さやかさんによると、お父さんは「どういうことなんだろうか。遠い見ず知らずの土地に嫁がせるだけでも不安なのに、わざわざ苦労しに行くようなものなのではないか」と思い悩んでしまったといいます。
私は慌てて長谷川さんのお父さんに電話しました。そしてお父さんに「すぐにさやかさんのご実家に電話をして、『ご心配は無用です。家族全員で大事にします』とお伝えしてください」と頼みました。「さやかさんはまだ若い。そんな子が仕事をやめて遠方から嫁ぐことになります。それ相応にしてあげてください」と。
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