岸田文雄内閣は12月23日、2023年度予算政府案を閣議決定した。一般会計歳出総額が、114兆3812億円と過去最大となった。直前に、防衛費をめぐり将来の増税を提起したこともあり、何かと防衛費に注目が集まりがちだが、2023年度予算案にはどんな特徴があるか。詳しく見てみよう。
歳出総額の増加幅は6.7兆円と過去最高
まず、一般会計歳出総額は、2022年度当初予算の107兆5964億円から6兆7848億円ほど増えるのだが、この増え幅は過去最高である。
どうしてこんなに歳出が増えたのか。それは、逆説的な言い方になるが、収入が増えたからである。一般会計予算は、歳入総額と歳出総額が同額になるように編成する。歳入が増えないと、歳出は増やせない。増やす歳出を賄うための財源を、いろいろと工面した結果ともいえる。
歳入が増えた最も大きな要因は、税収増である。消費税の標準税率を10%にした2019年10月以降の税収は好調で、コロナ禍でありながら、2020年度以降過去最高を更新し続けている。2023年度予算案の一般会計税収は、69兆4400億円と2022年度当初予算と比べて4兆2050億円も増えて過去最高となる見通しである。
2023年度予算案の税収増を支えているのは、消費税と法人税である。2022年度当初予算と比べて、消費税は1兆8110億円、法人税は1兆2660億円増えると見込んでいる。
それに加えて、防衛力強化の影響もある。12月16日に閣議決定された「防衛力整備計画」で、2023年度からの5年間で防衛経費の総額を43兆円程度とすることとしたのに伴い、その財源として「防衛力強化資金(仮称)」という財源管理をする「財布」を別に設けることとした。
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