「いい運は伝染する」説が意外と当たっている理由 成功した著名人や経営者が口にする「共通点」

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SNSで知人の成功やリア充アピールを見るのがしんどい、と聞くことがあります。でも、そこから目をそらしたところで、その事実が消えるわけではありません。

ならば、ここでマインド・リセット。素直に祝福しましょう。

自分の周りに運のいい仲間ができた、と受け止めればいいのです。目指すべきは、祝福をたくさんしたくなるような仲間が増えていくこと。そうすればきっと、自分も祝福してもらえるようになるはずです。

ここでこれを学び、ここで生かして、こうキャリアチェンジをして……。成功している人、うまくいっている人は、長期的な視点でしっかりと計画を立て、それに向けて着々と努力をした人。きっとそうなのだろう、と私は思い込んでいました。

ところが実際に取材をしてみると、ほとんどの人が計画など持っていませんでした。

例えば、外資系企業でキャリアを積み、日本の伝統的な会社のトップを委ねられた社長。まさに誰もが羨むような華麗な経歴の持ち主でしたが、どうやってこんなキャリアをつくることができたのかと問うと、意外な返事がきたのでした。

「実は行き当たりばったりだった」と言うのです。事前に計画など立てていない。そのときどきで、好きなことをやってきただけ。あれやこれやと計算して、人生はつくれるわけではない。むしろ、偶然を大事にしたのだ、と。

ただし、選択したものは情熱を持って必死に取り組んだ。それが、さまざまなチャンスを生んでいった。キャリアの成功をもたらしたのは計画などではなく、目の前のことにしっかり向き合っていったことだったのです。

私は三十数年前に大学を卒業しましたが、今も昔も、学生の安定志向は強いようです。その気持ちはよくわかります。誰だって不安定はイヤ。安定した生活を送りたい。

しかし、安定志向が行き過ぎると、ちょっと危ういことになると思います。未来の安定のために、未来のことばかりに気持ちが向かってしまうのです。そして、不安になる。心配になる。落ち着かなくなる。

そもそも未来のことは誰にもわからないのです。その意味では本来、未来の安定などわかるはずがない。ずっと安泰、このまま進んで平穏無事、などあり得ないということです。

確実なものなど、どこにもない

まさに日本を代表する知の巨人として尊敬を集める経営者に、雑誌のインタビューでお会いしたときのこと。彼はこんなことを言っていました。

「確実なのは、確実なものなどない、ということだ」

では、どうするのか。よくわからない未来のことよりも、目の前のことを考えることです。今としっかり向き合い、今をちゃんと生きる。目の前にある幸せを享受する。自分の今の幸運を嚙みしめる。ご飯をおいしく食べ、仲間たちと笑う。そして、しっかり成長する。それを忘れて、見えない未来に不安になっては本末転倒。

目の前の「今」にこそ、やるべきことはあるのです。

ボロボロだった20代を経て、フリーランスになったばかりの私は、社会的に成功することが、幸せの必須条件だと思い込んでいました。しかし、たくさんの取材を通じて、必ずしもそうではないということに次第に気づいていきます。目指すべきは幸せになることであって、実はそれは社会的な成功とは一致しない、ということです。

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