「食欲不振」胃が弱い日本人が知るべき1つのツボ 年々食べられなくなってきている人は要注意

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その主な原因としては、加齢に伴い、筋力が衰えたり自律神経のバランスが乱れたりして、大腸がうまく便を運べなくなること、排便に必要な肛門周辺の筋力が衰えること、食事量が減り、便自体の量や、スムーズな排便に必要な水分・食物繊維などの摂取量が減ること、運動量が減り、食欲が低下したり大腸への刺激が減ったりすることなどが挙げられますが、実は、加齢などによる胃の働きの低下も、便秘に大きく関係しています。

「消化・吸収」には腸活よりも、まず胃活

私たちが食べたものは、口から食道へ、食道から胃へ送られ、ある程度消化されたうえで腸へ送られて消化・吸収されますが、胃の働きが弱く、十分に消化が行われないと、腸の負担が大きくなり、腸内に消化しきれなかった食べものが長くとどまるようになって、腸内環境を悪化させます。

腸内環境が悪化すると、便がうまく運ばれなくなるため、便秘が起こりやすくなってしまうのです。

もちろん、胃の調子が悪く、食欲が低下して食事量が減ることも、便秘の原因となります。

胃は、消化の「一丁目一番地」です。

近年、「腸活」という言葉をよく耳にしますが、なぜ胃活の重要性が語られないのか、私はずっと疑問に思っています。

もちろん、お通じを良くするうえで腸活は大事ですが、それ以上に大事なのが胃活なのです。

年齢を重ね、胃のもたれや胃の痛み、胸焼け、食欲不振、頑固な便秘などに悩んでいる方は、まずは食事の前に1分間、中脘のマッサージから試してみてください。

これらの不調がすぐに改善されることを、実感していただけると思います。

胃の機能が低下すると、栄養素の吸収率が悪くなり、腸に負担がかかります。たとえば、食べものによって摂取されたタンパク質は、胃などの働きによってアミノ酸へと分解されます。

アミノ酸は、体内で次のような働きをしています。

・ 筋肉や骨、皮膚、爪、髪、血液、内臓などの材料となる
・ 神経伝達物質の材料となる
・ エネルギー源として使われる
・ 免疫抗体として働き、感染症などから体を守る
・ ホルモンとして働き、さまざまな生理作用を調節する
・ 酵素として働き、代謝を調節する

つまり、人間の成長や発育、生命活動や健康の維持に欠かせないのが、アミノ酸なのです。

ところが、胃が十分に働かず、アミノ酸の吸収率が低下すると、「筋肉量が減る」「肌や爪が荒れる」「髪が抜ける」「気力が低下する」「疲れやすくなる」「貧血や冷えが起こりやすくなる」「内臓の働きの低下や免疫力の低下により、体の不調が起こりやすく、病気にかかりやすくなる」といった、さまざまなトラブルが起こるようになります。

体内のアミノ酸が不足し、筋肉量が減れば、基礎代謝量が低下し、それに伴う冷えやさまざまな体の不調も起こりやすくなるのです。

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