ひろゆきの「4chan」、日本人が知らない危険性 アメリカでは銃乱射と憎悪犯罪の温床に
西村は最小限の努力で最大の成果を上げることを論じた自身のベストセラー『1%の努力』の中で、4ちゃんを買収する決断をしたのは、高齢化が進み、縮小し続ける日本市場から抜け出したかったからだと書いている。西村によれば、匿名掲示板は問題が起こりやすい場所としてよく知られているため、ほとんどの企業は恐れをなして関わろうとしない。
需要が豊富にあるのに競争が少ない市場というわけだ。4ちゃんは僕が何もしなくてもカネを稼いでくれただろう、と西村は書いている。
4ちゃんの運営はほぼ完全に不透明
現在、4ちゃんの運営はほぼ完全に不透明なものとなっている。プールとは違い、西村が4ちゃんに関する質問に答えることはほとんどない。4ちゃんの所有権は法人のベールの向こうに隠されており、サイトを管理しているのも秘密保持契約によって沈黙の義務を課せられた匿名のモデレーターたちだ(ニューヨーク・タイムズが確認した文書や複数の消息筋によると、西村は4ちゃんを買収するにあたり、日本人のパートナー3人から資金提供を受けたという。買収額は開示されていない)。
ニューヨーク州検察は2022年10月、バッファローで起きた銃乱射事件に関する報告書で4ちゃんをやり玉に挙げ、次のように指摘した。4ちゃんは「白人至上主義者による暴力の連鎖の一因となっているヘイトスピーチや露骨なコンテンツを制御しようというほかのオンライン・プラットフォームの取り組みに加わることなく運営を行っている」。
バッファロー銃乱射事件の犯人は4ちゃんに投稿した声明文で、4ちゃんで初めて出会った白人至上主義の陰謀論によって自身が過激化したと書いている。自らが引き起こした銃乱射事件は、4ちゃんで目にした2019年のニュージーランド・クライストチャーチ銃乱射事件の動画に刺激されたものだという。
ほかのサイトがこうしたコンテンツの投稿を難しくする対応を速やかに行う一方で、4ちゃんはほとんど何もしなかった、とニューヨーク州検察の報告書には記されている。
西村は、そうしたことに問題があるとは考えていないようだ。
(執筆:Ben Dooley記者)
(C)2022 The New York Times
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