通貨に関する2つの大きなウソ
世界中で使われている経済学の教科書には通貨について、2つのウソが書かれている。
1つ目は、通貨を単に、①交換手段、②価値を表す単位、③価値を貯めるものと定義していることだ。
たしかに通貨にはこれら3つの機能がある。もし通貨のこの側面だけを見るなら、通貨とは中立的なもので、市場で絶えず過不足ない適量を流通させることだけが問題の交換手段だといえる。
だとすれば、その問題は完全に技術的なものであり、金融当局(具体的には中央銀行)に任せればいい。そして、もし国民の代表である政治家の介入を許せば不適切に流通通貨の量を増やすことになってしまうかもしれないということになり、そうした口実をもとに、介入を阻止できる。
2つ目は、銀行とは単なる金融取引の仲介者であり、マンキューやその他の経済の教科書に書かれているように、その主要な役割は「貯金をしたい人に預金してもらい、お金を借りたい人にそのお金を貸し出すこと」であると定義されていることだ。
この2つのウソの内側を探り、それらが私たちの日常生活にどんな影響を及ぼしているかを見ていこう。
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