また、銀行とは「顧客の預金の一部を貸し付ける金融仲介者である」というだけでは、地球上に流通するお金の90パーセントを無からつくりだして世界を支配している銀行の特権の源や本質が見えなくなってしまう。
銀行の力を隠すことで起こること
このウソは最終的に3つの結果をもたらす。
まず、銀行は好きなだけ通貨をつくりだせるという事実を隠すことで、人々は、経済が必要とするだけの資金はどうしても不足してしまうと思い込むようになる。融資とは樹液や血液のようなもので、それがなければ長期的な投資を行うことはできない。そのため、このウソは経済に大きなダメージを与える。企業や政府の活動が鈍り、雇用も生まれなくなり、ひいては人々に必要なものが行きわたらなくなってしまうからだ。
2つ目は、管理コストしかかからずにお金が無からつくりだされているという事実を隠すことによって、企業、政府、家庭にとって大きな負担になるばかりか、歴史上類をみないほど規模が大きく長期にわたる奴隷制度ともいえる金利を課すことを正当化できるのである。
最後に3つ目は、融資をするたびに通貨をつくりだせるという、ほぼ無制限の力を銀行に与えることで、お金を借りることが現代の経済の不吉な原動力となっていることだ。当然だろう。どんな企業だって、無限の利益を得られるなら売れるものはすべて売ろうとするだろう。銀行も例外ではない。
問題は、銀行のビジネスが、他の経済主体にできるだけたくさんの借金を負わせることで成り立っていることだ。そのため、銀行はさらなる利益を得るために、その巨大な力を使って他の別の経済主体が収入を得ないように、規制を加えたり、借金を強いたりすることで、借金が経済の原動力になるようにしなければならないのだ。
あらゆる統計データは、借金が多ければ多いほど(つまり、銀行のビジネスが盛んになればなるほど)経済危機が頻繁に起こり、たいていはあらゆる側面で経済が停滞するということを疑いの余地なく示している。
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