価格を決める法則とはいったい何?
「供給の法則」や「需要の法則」という言葉を経済学者たちが頻繁に口にするため、政治家やジャーナリスト、ひいては一般の人々までもがこの表現を使うようになった。いまや誰もが、これらの「法則」が市場を効果的に機能させ、私たちが日常的に購入する商品やサービスの価格を自動的に決定していると信じている。
従来の経済学の教科書に書かれたこれらの「法則」の定義について、Wikipediaに以下のような要約が記載されている。
「供給の法則」とは、供給曲線で示されるように供給量は価格に比例し、財の価格が上がるほど市場に出まわる量が増えるというものである。それとは逆に、「需要の法則」とは、需要曲線で示されるように需要が価格に反比例して、財の価格が上がるほど買い手の需要が減少する。したがって、財の価格は「需要と供給の法則」によって変動する。
他の事典やさまざまな本でも、ほぼ同様の説明が見られる。
しかし、この考え方はウソだ。
(外部配信先では需給曲線などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
財やサービスの価格が、供給と需要によって定められるというのはウソである。なぜなら、第1に、どんな場合にもウィキペディアに書かれているような法則が存在するとはいえないからだ。
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