金哲彦さん分析「箱根駅伝、データでみた注目大学」 2022年の1万メートル、駅伝の結果から徹底予想

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箱根駅伝がこれほどまで有名になったのは、平成から開始された日本テレビの完全生中継放送がきっかけです。

大会の位置付けは関東大学駅伝ですが、テレビ中継は全国放送(日テレ系列局のない沖縄県を除く)。途中棄権や番狂わせなどのドラマチックな展開がお正月の風物詩になるまで、それほど時間はかかりませんでした。

筆者はテレビ中継がなかった最後の時代、昭和58年(1983年)から昭和61年(1986年)までの4年間、早稲田大学の選手として箱根駅伝5区、山登り区間を走りました。そして、卒業後は30年以上、NHKラジオ放送の解説者として、箱根駅伝に関わりながら数々のドラマを解説してきました。

2023年、筆者の優勝予想は?

さて、年が明ける令和5年(2023年)1月2日の午前8時、第99回となる箱根駅伝の第1区がスタートします。レースが迫るこの時期、私なりの優勝予想をしてみたいと思います。

どの大学が優勝するか? 箱根駅伝ファンならずとも毎年気になる人は多いでしょう。街の本屋さんのスポーツコーナーには選手名鑑の雑誌がいくつも並んで盛り上がっています。

駅伝は総力戦です。とりわけ箱根駅伝は距離が長く(1人あたり20キロ以上)、山登りや山下りといった特殊区間もあるので、多角的に戦力分析をすることが肝要です。

まずは、正式にエントリーされた16人の選手のうち上位10人の10000メートルと、ハーフマラソンのベストタイム平均を上位5チームで比較してみましょう。

まずは10000メートルから。

1位駒澤大学(28分13秒34)、2位青山学院大学(28分24秒64)、3位中央大学(28分26秒91)、4位創価大学(28分28秒52)、5位東海大学(28分35秒38)となっています。※2022年12月19日時点

スピードが求められる10000メートルの走力では、エースの田澤廉選手の27分23秒44を筆頭に、駒澤大学が抜きん出ています。2位の青山学院大学、3位の中央大学と4位の創価大学との差はあまりないといっていいでしょう。

続いて、ハーフマラソンです。

1位駒澤大学(1時間2分14秒)、2位國學院大學(1時間2分21秒)、3位順天堂大学(1時間2分26秒)、4位青山学院大学(1時間2分58秒)、5位中央大学(1時間3分00秒)となっています。※2022年12月11日時点

箱根駅伝の区間距離とほぼ同じハーフマラソンは、スピードに加え持久力(スタミナ)が要求されます。こちらも1位が駒澤大学ですが、2位の國學院大學と3位の順天堂大学もハイレベルな記録といえるでしょう。

次に、箱根駅伝の前哨戦といわれる「出雲全日本大学選抜駅伝競争」と「全日本大学駅伝」の結果を上位5校で比較してみます。

出雲全日本大学選抜駅伝競争は、1位駒澤大学(2時間8分32秒)、2位國學院大學(2時間9分24秒)、3位中央大学(2時間9分48秒)、4位青山学院大学(2時間10分18秒)、5位順天堂大学(2時間10分50秒)です。

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