そして、全日本大学駅伝の結果は、1位駒澤大学(5時間6分47秒)、2位國學院大學(5時間10分8秒)、3位青山学院大学(5時間10分45秒)、4位順天堂大学(5時間10分46秒)、5位創価大学(5時間12分10秒)でした。
直近に行われた駅伝の結果をみても、駒澤大学が盤石なレースで大学駅伝2冠を達成し、ハーフマラソンの走力がある國學院大學が2位に続いています。ここまでの分析をみると、箱根駅伝も駒澤大学が圧勝するのか?と考えても不思議ではないでしょう。しかし、選りすぐりの選手が数多く在籍し、選手層がぶ厚く、距離の長い箱根駅伝に滅法強い青山学院大学が、このまま後塵を拝するとは思えません。
優勝を狙える4大学はここだ
前回大会は、青山学院大学が10時間43分42秒の大会新記録で優勝を飾っています。往路と復路、箱根の険しい山道も含む合計、217.1キロを1キロ平均2分57秒90で駆け抜けるという驚異的な記録です。ちなみにこの記録は、フルマラソン約5回分を2時間5分6秒、つまりほぼ日本記録に近いタイムで走ったという計算になります。
レース展開も見事でした。往路は区間賞(その区間での1位)こそありませんでしたが、1区から区間5位、7位、2位、3位、3位と安定感がありました。そして、先頭を走るとテレビ中継車が風よけとなって有利になる復路では、区間8位、1位、2位、1位、1位と、圧倒的な強さでライバル校を引き離しました。
一方、前回も優勝候補に挙げられながら3位に終わった駒澤大学は、往路の区間順位が2位、1位、16位、9位、4位。復路は6位、10位、18位、4位、6位でした。
区間順位が2桁になると、次の区間の選手に焦りが出てしまい、レースの流れが悪い方向に向かいます。優勝するチームに区間順位2桁は許されないのです。
昨年の展開を振り返っても、10000メートルやハーフマラソンの平均タイムで劣っていても、出雲駅伝や全日本大学駅伝で負けても、箱根駅伝ではまるで別のチームかのように青山学院大学が蘇ってくることが大いに予想されます。
青山学院大学は出雲駅伝と全日本大学駅伝で選手の調子がピークになるトレーニングを行っていないと思います。1年間すべてのトレーニングが1月2日と3日の箱根駅伝本番に合わせてくるチームであることは間違いありません。また、箱根駅伝の特殊区間といわれる5区の山登りと、6区の山下り区間に複数のスペシャリストを準備しているという噂もあります。
「山の神」と呼ばれた青山学院大学OBの神野大地選手もトラック競技などでは目立った活躍はありませんでしたが、箱根駅伝の5区では桁違いの力を見せつけて、青山学院大学連覇の中心選手としてチームを支えました。
――というわけで、年明けの箱根駅伝は圧倒的な勢いをもつ駒澤大学と箱根駅伝に強いレース巧者の青山学院大学の鍔(つば)迫り合いになる可能性が高いと思います。そして、2校に迫る実力があるのは、國學院大學と順天堂大学です。
果たしてどんなドラマが待っているのか、白熱したレースが楽しみです。
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