「どうする家康」信長、秀吉になかった堅牢な決断 本質は狸ではなく泥臭く考え抜くアンチヒーロー

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信長はいわゆる権威主義のリーダーなのですが、このような人物を求める声はいつの時代もあるものです。プーチン大統領がロシアで高い支持を得るようになっていったのも、まさに「改革者」であり「常識を超越した行動力」が、強いリーダーを求める国民にマッチしたからです。現在のプーチン大統領は、その弊害が深刻な問題を世界に及ぼしていますが、信長は強いリーダーの要素を備えた代表的な人物といえます。「憧れ」や「崇拝」を呼び起こす存在なのです。

奇跡的に立身出世の夢を叶えた秀吉

では秀吉はどうでしょうか。秀吉のほうは、一言で言うと「夢」への憧れでしょう。農民から身を起こし、日本最高の権力者に上り詰めるサクセスストーリーは、庶民の夢を体現するものです。

江戸時代に、信長がほとんど注目されることがなかったのに対して、秀吉はずっと高い人気を誇っていました。財産も地位もない立場から、できるはずのない奇跡を現実にしてみせたヒーローこそ秀吉なのです。昭和の時代には、小学校卒ながら総理大臣まで上り詰めた田中角栄も秀吉と同じように人気があり、秀吉になぞらえ「今太閤」と呼ばれていたことを考えると、いつの時代も好まれたサクセスストーリーかもしれません。

秀吉が苦しい逆境から大逆転していく奇跡に、自分を重ね合わせて爽快感を味わえる。ここに人気の秘密があるのでしょう。

信長と秀吉の人気に共通しているのは「誰もができないこと」をやってのける圧倒的な力に対する「憧れ」です。

「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」

「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」

有名な三英傑を評する俳句ですが、信長と秀吉は「自分に支配する権利」があるということです。ほとんどの人は「自分で状況を支配できる」ことは難しいため、そういう力を持つ人に憧れます。では家康はどうでしょうか。

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