早期退職するなら「小さな会社を買えばいい」理由 会社にしがみつかない"リストラ時代の生き方"

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300万円で会社が買えるのなら、やってみたらいいのではないでしょうか。ただし、興味があること、自分が本当に好きなものにすべきだと思います。

会社を買って誰かに経営を任せることができるなら話は別ですが、自分自身で経営するとしたら相当なビジネスセンスが必要になるでしょう。ニッチな分野だったら、なおさら経営者の「想い」が重要になります。自分が興味のあること、本当に好きなことでなければ、なかなかうまくいかないのではないでしょうか。

私の知り合いで、音楽業界で働いていた人がいます。いろいろな趣味に半端ない凝り方をする人で、近年は流行りのソロキャンプにハマっていました。キャンプ道具などの造詣をどんどん深めて、遂にはキャンプ道具のブランドを立ち上げてしまいました。

趣味に没頭することで、人生を新しく切り開く。このような選択もありだと思います。

趣味の延長で「〇〇コンサルタント」と名乗って、着付けや発酵食品などの小規模なクラスを開いて、身近な人に教えている人たちもいます。大儲けはできなくても、それだけで食べている人たちも少なくありません。

例えば、日本酒を好きな人が、後継者のいない小さな酒造メーカーを買って、デザインから流通、ブランディングまで、何から何まで自分のこだわりを貫き通してやる。

このように自分が趣味として本当に好きだったことをビジネスに重ねることができれば、やりがいもあって、成功する可能性も高くなるのではないかと思います。

ただし、失敗したときのセーフティネットは持っておく

起業するにしても、独立するにしても、転職をするにしても、もうひとつ大事なポイントは、失敗した場合の逃げ道をしっかり持っておくことです。

会社を辞めるのは、当然リスクは高いです。自分だけならまだしも、家族がいる場合は、失敗しても食べていける方法を考えておかなくてはいけません。

私が会社を辞めて独立するときも、ダメだった場合は、どこかの会社の人事として働こうと考えていました。年収さえ気にしなければ、拾ってくれる会社もあるはずだ、と。

それが無理だった場合は、タクシー運転手になろうと考えていました。車を運転するのは好きだったので、一度やってみたいと思っていたのです。体力勝負にはなりますが、運転ができるのなら運送業もできなくはないだろう、とも考えていました。

起業や独立、転職など、思い切って人生を賭けた勝負をするのは決して間違った選択ではないと思います。ただ、失敗した場合は、その責任を自分で取らなくてはいけません。

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