睡眠の質が低い人が知らない「腸」の重要な役割 便秘や下痢のときに腸はどうなっているのか

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その中身はというと、小腸で栄養分の9割を吸収され尽くし、大腸にたどりつく頃にはほとんど「食べカス」に近い状態です。そこからさらに水分やミネラル分などが吸収されながら、ぜん動運動によって少しずつ運ばれ、やがてS状結腸の急カーブを過ぎて直腸へ。そして肛門から半固形状のウンチとなって排泄されます。しかし、ここで出たウンチの全部が食べカスではありません。

ウンチの約80%は水分で、残りの約20%のうち食べカスは6~7%、残りは腸内細菌と腸内ではがれた粘液・粘膜などです。この水分量は排便のしやすさともかかわっており、健康で適正な水分量の人はいきむ必要がほとんどありません。便意を感じてトイレに行けばツルンと出て、時間もほとんどかからないものです。

ところが便秘となって腸に便が長く溜まると、水分がさらに吸収され、その分だけウンチが硬くなってしまいます。そうなるとさらに出しにくくなるわけで、便秘とはまさしく悪循環のもとなのです。

毎日バランスのよい食事をとり、食物繊維が十分に含まれていれば、食べカスの量も増えるので、いっそう出しやすくなります。体とは本当によくできているものだといわざるをえません。

食べたものが排泄されるまでには、早くて1日、長いと3日以上かかります。今朝トイレでお目見えしたウンチは、あなたが一昨日あたりに食べたものの消化されなかったカスが、姿を変えて出てきたわけです。

食べ方は出し方にもかかわると思えば、毎日の食事で何をどう食べたらよいかについても見方が変わってくることでしょう。

「週末トイレ症候群」「各駅停車症候群」が続出中

次に「排便のしくみ」について話しましょう。食事は毎日のことですから、普通に考えれば排便も毎日あるのが健康な状態です。とはいえ何かの理由で1日、2日出ない日があっても、それですぐに異常というわけではありません。

しかし、それ以上になる場合はどうでしょう。一般的な便秘の定義は「3日以上便が出ない」ことを指します。女性や高齢者に多いとされ、以前に600人の女性に対して行ったアンケート調査では、ほぼ半数が便秘の状態にあり、そのうちの65%は「4日以上出ない」という驚くべき結果に。こうした状況を指して「週末トイレ症候群」と呼んだほどです。その原因には偏った食事、運動不足、ストレス、そして過度なダイエットなどがあり、それによって便秘のタイプも分かれます。

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