睡眠の質が低い人が知らない「腸」の重要な役割 便秘や下痢のときに腸はどうなっているのか

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腸といえば、多くの人が悩んでいるのがお通じの問題ではないでしょうか。腸活への関心も年々高まっていて、長らくこの分野に携わってきた私にはうれしいところですが、むしろ健康情報があふれすぎていると思えるほどです。

講演などで腸に関するお話をするといろいろな質問を受けますが、その中にはすでに古くなってしまった情報や誤解に基づく内容も多く、ぜひみなさんには情報のアップデートをしていただきたいのです。

昔から、「快食・快眠・快便」は健康のバロメーターだといわれます。「あれこれやってみたのに、眠れない......」という人には、確かにお通じの調子もあまりよくないケースがあるようです。眠れないからそうなるのか、あるいは不健康であるために不眠なのか。負のスパイラルを断ち切るために、腸への意識を高めていただくのが快眠への近道にもなるはずです。

眠りにも影響する「腸」の大事な役割

眠りにも関係する「腸のしくみ」についてご説明します。私たちが生きるためには、食べ物や飲み物を口から取り込み、それを消化、吸収、排泄する消化器官の働きが欠かせません。まず口でしっかりと食べ物をかみくだき、唾液と混ぜ合わせるのが消化の最初のステップです。

食べ物を飲み込むと、胃に30分から3時間ほどとどまって、ぜん動運動とともに胃酸や胃液などと混ざり合い、お粥のようなドロドロの状態になります。アルコールは胃でも吸収されますが、ここではおもに消化を行い、内容物は次の十二指腸に送られて、すい液や胆汁などの消化液が加わって、さらに分解しやすくします。

続く小腸は6〜7mもの長さがあり、お腹の中央にうねうねと折りたたまれて収まっています。内側はひだのような形状をしていて、広げるとテニスコート1.5面ほどの広さがあり、栄養を吸収するための「じゅう毛」がびっしりと密集しています。

その先にあるのが、いよいよ大腸です。小腸より太く、長さは1・5〜2mほどです。順に上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸とお腹を取り巻くようにぐるりと位置していますが、意外にも固定されているのは一部で、ほぼぶら下がったような構造になっています。

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