若者が「強い"敗者"意識」に囚われている残念な訳 合計11浪の2人「笑われても"高望み"受験を!」
濱井:確かに私が中高生だった15年前は、まだ学生が先生に刃向かう雰囲気があったように思います。
中学生の時、1つ下の学年が荒れていたので、対応する先生も疲弊して「あの学年とは関わるなよ」と愚痴をこぼしていました。でも、昨年私が教育実習で中学校に行った時、そうした手のかかる子どもは皆無でした。
みんなおとなしくて、まじめなのです。でも、授業で挙手を募っても誰も上げない。
私から生徒を指名して発言してもらったら、しっかり内容がわかっている子も大勢いました。「周囲から変に見られるから」と上げることを躊躇している感じがしましたね。
たぶん笑われるけれど、挑戦しよう
西岡:今の子どもたちにとっては、手を上げたり、意見を言ったり、行動したりすること自体が、昔よりすごく難しくなっています。少子高齢化とは言いますが、子どもが少なくなった分、大人が多くなって、今や子ども1人に対して進路や行動に口出しする大人が昔より格段に増えていますからね。
ですから、自分の意見を言ったり、自分の意志で行動するだけで、その子は偉いということを理解する必要があります。さらに、「この学校を目指したい」は、言うだけですごいことですから、評価しなければだめです。
濱井:SNSで情報を得やすくなった時代というのも、影響しているのではないでしょうか。ネットで調べる時代になり、そこには間違った行動をして炎上している人がいます。それを見て「行動するのはやめようかな」と思ってしまうのです。
西岡:確かに。尖ってはいけない、変なことをせずに、黙っていたほうがいいと。
濱井:僕は同級生とは9歳離れていますが、それでも価値観が違うと感じます。
例えば、スマホでメモをとるというのは、僕の時代は考えられませんでしたが、今は普通です。でも「けしからん」と怒る人もいます。時代が変わっていると考えながら、子どもたちと向き合う必要がありますね。
西岡:僕は学年ビリで、偏差値35から2浪して東大を目指しました。濱井さんは9浪で早稲田志望。2人とも、合格する前はたくさん笑われましたし、馬鹿にされました。合格した後だって、あれこれ言う人はいます。
でも「敗者意識」を抱え続けて生きるよりはずっといいと自信をもって言えます。
濱井:あのころよりもいまのほうが、ずっと楽しいです。それだけは間違いないですね。
(構成:泉美木蘭)
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