若者が「強い"敗者"意識」に囚われている残念な訳 合計11浪の2人「笑われても"高望み"受験を!」
西岡:そういう人が多い学校や大学には、「そもそも勉強しなくていい」という空気があったりもします。授業を真面目に受ける空間ではありません。
そうなると、学校が出すテストや宿題も、そういう子たちに合わせてレベルを下げざるを得ない。高いレベルの問題を出しても、「これを解いてやろう」と思わないんです。つまり、「モチベーション格差」です。
逆に、超進学校と呼ばれるような偏差値帯の高い学校に行くと、中学1年生に東大の入試問題を出題しても、「解こう」と思って必死になります。もちろん解けないんですけど、「できないだろうな」と思ってはじめから挑戦しない、という子はほとんどいないんですよね。
濱井:私自身、地元の田舎にいたときは、勉強する環境にありませんでした。
一般的に知られている格差は、教育、経済、所得格差ですが、モチベーションの格差は盲点だと思います。それは、学校、親など大人の作っている環境なんですよね。
モチベーションが低いと、学力が高いことをよく思いません。僕の地元には、反知性的な空気さえありました。勉強している子はいじめられていましたから、そのなかで意思を貫くのは並大抵ではありません。
西岡:貫いてほしいですけどね。そういう子が数人いれば、派閥になっていける。ただ、そのムーブメントすら起きていないんです。それを僕たちが起こしていきたいと思って、活動しているわけです。
濱井:地方では、モチベーション格差によってうまくいかなくなっていることに、学校自体が気づいていないケースがありますね。
西岡:「このままでいいんだ」という感覚が、親にも先生にもありますね。正直な話、「教育して成績を上げると、若者が出ていくので困る」と考えている地域もあります。
かつての日本なら、それでもよかったのかもしれません。でも、変革が求められる今の時代において、「この環境でいい」と思い込むことは、かなりマズイはずです。
「自分の意見」を言えるのはとてもすごいこと
西岡: いまの生徒たちは、まじめに授業を聞いている割に、手は上げません。
僕が高校生だった7年前は、「授業なんて聞くもんか」という態度の子もいましたし、聞いている子は手ぐらいは上げていました。でも今の子は、ちゃんと話を聞いていて、そのうえで何も反応しません。今は、プラスにもマイナスにも、とにかくエネルギーがない印象です。