会社を「辞める基準」をどこに置くべきか 環境を変える努力をせずに辞めるな

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それはなぜか。限られた自分の時間を仕事に投じるわけですから、できるかぎりその時間を有効活用して、投じた自分の時間と体力に対するリターンを最大化したいというのは、極めてまっとうな意思決定だからです。

注意点として、簡単に辞めることを勧めているわけではありません。たとえば、人間関係が嫌で辞めたといっても、次の職場に同じように嫌な人がいたらどうしますか。また辞めるのでしょうか。だからこそ「最大限の努力をもって」その状況を変えるための努力を、転職を決める前に絶対に行うべきなのです。そうやって自分自身の耐性(この場合は人間関係に対するストレス耐性ですね)を徐々に若干でも高めつつも、これは自分自身のコントロールできる範囲を超えている場合に、新天地を求めるべきなのです。

とりわけ若いうちは、時間の使い方が非常に重要です。仕事における時間の使い方が、その後の自分の成長にダイレクトに響きますので、リターンのない職場に居続けるほうがムダですし、何より体に悪いはずです。根性論だけで、トンネルを抜けることはできません。

根性で超えられる場合と超えられない場合がある

ただ、繰り返しになりますが、根性で超えられる部分はあらゆる手を尽くして超えていきましょう。根性で達成できる最大限の部分をやれば、多くの場合には転職をする必要がなくなると思います。

しかし、そうした必死の努力をしても、なお環境は変わらない場合があります。それでも根性で乗り越えろ、耐えろ、というアドバイスは無責任です。どんなに根性で頑張っても環境が変わらないケースは、往々にしてあることを冷静に見極める必要があります。

そしてもう1点。嫌なことがある、と感じた瞬間から腐って転職マインドになるのではなく、その仕事の中からも、横展開できるスキルを身に付けることが重要です。どんな仕事でも、受け身ではなく自分自身の頭を使って、積極的に向き合うことで学びがあるはずです。その学びを次の仕事に生かせれば、人間関係が原因で転職した、というレッテルを貼られずに済みますので、一石二鳥です。

人間の才能とは、その人の持っている才能と周りの環境がマッチして、初めて最大限開花するものです。自分のコントロールできる範囲を超えた環境の部分でつまずくようであれば、ほかの環境と比較検討してみるというのは、むしろ絶対にすべきことだと思います。こうしたことを念頭においたうえで、転職するべきかどうかを判断してください。

※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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