よりわかりやすく言うと、仕事を取り巻くさまざまな構成要素の中で、自分にとってまぁ譲れる要素と絶対に譲れない要素を自分の価値基準から作り上げて、その基準内であれば残り、譲れない基準を逸脱したら辞める、という判断を下すわけです。転職活動をしている場合は、自分の価値基準に照らし合わせ、現在いる会社との対比において、どっちが自分にとっていいかを判断するのだと思います。
たとえば、「上司や同僚のことが好きになれない」という具合に、人間関係に悩みを抱えているケースを考えてみましょう。
働く中で、何よりも人間関係を重視する人にとって、これは譲れない部分と言えるのかもしれません。しかし、職場での人間関係より、少しでも多くのおカネを稼ぐことのほうが重要な人にとっては、何よりも年収基準が大切です。そういった人の場合には、職場の人間関係が多少悪くても、割り切って働き続けることができるはずです。
また、人間関係や年収ではなく、仕事のやりがい、自己の成長を重視する人にとっては、仕事内容や責任範囲こそがカギになります。
それぞれの仕事を取り巻く要素のうち何を最重要視するかは、あくまでも個々人の問題です。私や周りから、とやかく言うべきものではありません。どんな考えで転職しようが、周りに迷惑をかけていない以上、批判されるような筋合いもないので、まず自分が仕事に対して求めている基準が何なのか、が重要です。
環境を変えるために最大限の努力はする
ただ、思いどおりにならないから辞めるということを、繰り返すことを勧めているわけではありません。その思いどおりではないことが、「自分自身が最大限の努力をもってしても覆せないことが明白なとき」に辞めるべきなのだと思います。
それに加えて、仕事を通じて他社へも横展開できる経験やスキルが少しでも身に付いていれば、もう辞める準備は完璧なのだと思います。
仕事を辞める、ということに関して、いわゆるキャリアアップ的な転職だけが正解であるかのように語られることが多い気がしますが、私はそんなことはまったくもって、ないと思っています。つまり「上司と合わなかったから」「体を壊すくらいの激務だったから」といった、世間ではともするとネガティブな転職理由と取られかねないことについても、躊躇(ちゅうちょ)する必要はありません。
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