つまずきを解消する手段は、次の3つです。
② 新しいことはやらない
③ かっこよくなくてもOK
① 出来栄えは気にしない
「めんどくさい」を解消することとは、脳に新しい神経回路をつくることです。逆に、新しい回路さえつくることができれば、その回路が不十分なものでもまったく問題ありません。
「めんどくさい」がクリアできない理由の1つに、最初から「高い完成度で」完璧にやろうとすることがあります。本書では、「高い完成度で」やることは気にしません。
高い完成度でできている人の真似をしたくなるかもしれませんが、現代は生活スタイルが多様なので、仕事も環境も使う道具も人それぞれ違います。
ですから、そもそも目指すべき動作の完成形というものがありません。それよりも、めんどくさいと思ったことができるという目的のほうが大切です。
まずは手を動かして作業をする
目的は、あくまでも脳に新しい神経回路をつくることです。上手下手、失敗や成功は関係なく、堂々とその作業に手をつけましょう。手をつけて、後のことは脳に任せてしまえばいいのです。
いったん、新しい神経回路が生まれると、その生まれたばかりの神経はとてもやんちゃで元気いっぱい。どんどんほかの神経細胞につながろうとして、手がつけられないほど活動的です。
そんな新しい神経の成長をうまく促してくれる仕組みが、小脳を中心としたフィードバック誤差学習です。
完成度は低くても、手を動かして作業をしたならば、その動きによって得られた視覚、聴覚、触覚、筋肉の感覚などが脳に送り込まれます。そして、フィードバック誤差学習で動作の完成度が上がっていきます。
これは自動的なシステムなので、脳に任せるとして、私たちが注意すべきことは、2週間以内に2回目をやることです。いったん生まれた神経のつながりは、2週間使われずにいると淘汰されて消されてしまいます。2週間以内に、もう一度使われさえすれば、「必要なルート」として残されます。
とにかく手をつけて、2週間以内にもう一度手をつける。ただこれだけで、いずれ脳が「完璧にできた!」と満足できる作業をつくりあげてくれます。
② 新しいことはやらない
テレビや雑誌を見ていると、「新習慣を始めよう」と、今までの生活ではやっていなかったことを新たに取り入れるのを推奨されることがありますが、めんどくさいことを解消するために、新しい習慣を使う必要はありません。
なぜなら、脳がその習慣に使う体の動きを知らない場合、その命令は伝わらず、かえって混乱して動けなくなってしまうからです。
それよりも、今までやったことがある行動を使ったほうが、脳が混乱せずにすんなり体を動かすことができます。
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