「めんどくさい沼」から抜けられない2つの理由 知らないうちに行動が「習慣化」されている

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例えば、打ち合わせで決まったことを後で作業するのがめんどくさいと感じたとして、忘れないために「パソコンのディスプレーに表示できる付箋にタスクを書いておく」という方法を試したとしましょう。

この方法には、これまでやったことがない「ディスプレーに付箋を表示させる」という手段が用いられるので、脳はまったく新しい作業を試みなければなりません。新しい神経回路を生み出さなければならないので、打ち合わせで決まった作業に取り組む以上のエネルギーが必要になってしまいます。

このような新しい習慣は、類似した方法をすでに実行している人にのみ有効なので、やったことがない人にとっては、ただ無駄にエネルギーが消費されるだけです。

タスクを忘れやすい、着手するのが億劫になる場合は、やったことがある作業とつなげることを意識しましょう。

もともとやったことがある作業をつなげて行うならば、どんな脳でもできます。むしろ、新しい方法を使わずにただつなげることが、脳に通じる命令なのです。

例えば、打ち合わせ後に資料をつくらなければいけないとき。

めんどくさいとはいえ、資料をつくったことはあるわけですから、「資料作成」を「打ち合わせ」という前の作業とくっつけて、「打ち合わせが終わったら、そのまま資料を一行だけつくって、名前をつけて保存する」というほうがよいわけです。

これで、新しい方法や習慣をたくさん覚えなければならない、というプレッシャーから、解放されますね。

刷り込まれたイメージが「めんどくさい」を発生!?

③ かっこよくなくてもOK

『「めんどくさい」が消える脳の使い方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

これまでは「仕事がデキる人」というと、機敏な行動で業務をこなし、ほかの社員が自然に集まってきては笑い合い、スタイルもファッションもすてきで、持ち物のセンスもいい……そんなイメージがあったと思います。

もしかしたらあなたも、テレビドラマや実際の職場でそんな人を見ながら、「どうせ自分は行動が遅いし、スタイルは悪いし、何を着ても似合わないし……」などと、あきらめてしまったことも、あったかもしれません。

ですが、状況は変わりました。

オンラインとリアルのハイブリッドで構成される現在のライフスタイルでは、機敏な行動や厚い人望、かっこいいスタイルやすてきなファッションがなくても、仕事や家事を充実してこなせるように変化しています。

もしかしたら、あなたは、めんどくさく感じずにバリバリ仕事をすることを、難しく考えすぎているかもしれません。

刷り込まれた余分なイメージこそが、脳に伝わらない命令であり、それが「めんどくさい」を発生させていたのです。

別にかっこよくなくても、自分の脳と通じ合えれば楽しく生きられる。
こう考えてみれば、話はそんなにややこしくなりません。

菅原 洋平 作業療法士

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すがわら ようへい / Sugawara Yohei

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許取得。民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。その後、ユークロニア株式会社を設立。現在、ベスリクリニック(東京都千代田区)で外来を担当する傍ら、企業研修を全国で行なう

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