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わずかな議論で原発政策を「方針転換」した危うさ 深刻化するエネルギー情勢を背景に「政治決断」

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さまざまなリスクを勘案し、各業界のベスト・ワーストシナリオを検証。「2023年大予測」特集の産業・企業パートから抜粋。

九州電力の川内原発の1号機と2号機
40年超の運転延長を計画している九州電力の川内原発(撮影:尾形文繁)

特集「2023大予測|産業・企業編」の他の記事を読む

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政治的決断で強行か

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経済産業省の審議会である原子力小委員会は2022年12月8日、原子力発電に関するこれまでの政策を転換する「行動指針」を、大多数の委員の賛同によって了承した。

「次世代革新炉の開発・建設」や「既存原発の最大限の活用」に舵を切り、現行のエネルギー基本計画で「可能な限り原発依存度を低減する」と明記した原子力政策を、深刻化するエネルギー情勢や脱炭素化への対応などを理由として根本から見直す。

今後、同指針はエネルギー政策を統括する経産省の審議会に報告されたうえ、岸田文雄首相が議長を務める「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」に年末までに諮られる見通しだ。

だが、議論は始まりから異例だった。参議院議員選挙から1カ月余りが過ぎた22年8月24日の同会議で岸田首相は、「政治決断が求められる事項」として突如、「次世代革新炉の開発・建設」や既存原発の「運転期間延長」に言及した。そして具体的な内容は、原子力小委での議論に委ねられた。

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