日本人が幸せを感じるための「4つのヒント」 「幸福度実感」世界43位にはワケがある

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時期を同じくして核家族化が急速に広まり、家族構成の幅が狭まります。徐々に人との触れ合いが希薄になり、それまで当たり前だった隣人との付き合いも日本の社会からどんどんと姿を消していきます。 

特に男性の場合は、会社という組織を中心とする人間関係の中で生きる道を選び、それ以外のところで多様なつながりを築くことに熱心ではなかったといっていいでしょう。

こうした社会のありようは、「幸福」を考えた場合、大きなダメージを与えることになったことは否めません。なぜなら、自分の夢を実現することや、多様な人間関係を持つことは、さまざまな研究によって人を幸福にする大きな要因であると考えられているからです。

私が博報堂と協力して行った幸せの調査の結果があります。調査では、全国1万5000人を対象にアンケートを実施しました。

アンケートの中で、人とのつながりについて調べるために、友人の数を尋ねる設問を用意しました。すると、調査対象者の9%に当たる1349人が「友だちの数-ゼロ」という回答を寄せてきたのです。

調査の結果、約10人に1人が、友人とのつながりのない世界で生きているという状況が浮かび上がってくることになり、大変な驚きを覚えました。

人とのつながりは、幸せのための重要な要素なので、それがないと当然幸せからは遠ざかっていきます。

人とのつながりに関していうと、深い友人関係ではなく、ちょっとした人との触れ合いでさえ人々の幸せにプラスに作用するといわれています。

例えば、フェイスブックで友だちを作り、「いいね」をし合うことでも、幸せ度を上げることができます。自分が住んでいる地域の活動に参加するだけでも、かなり幸せな気分になるはずです。会社の同僚とたわいもない世間話を交わすだけでも、幸せ度は確実に上がります。

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