日本人が幸せを感じるための「4つのヒント」 「幸福度実感」世界43位にはワケがある

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このアンケートを開発したディーナー博士によると、30点以上の人は非常に人生の満足度が高く、すべての面で順調にいっていると感じている人だといいます。25~29点の人は、だいたいにおいて人生が順調な人、20~24点の人は、平均的な人生の満足度です。

過去の調査では、日本の大学生の平均が約18~22点、アメリカの大学生は約23~26点だったという結果があります。さて、あなたの点数は何点だったでしょうか?

「幸せ」に欠かせないものとは?

幸せになりたい――。多くの人がそう願い、毎日の生活を送っているのではないでしょうか。とはいえ、幸福感や満足感を抱くことができず、自分の人生に明るさを見出せない人たちがたくさんいます。では、今の日本社会で暮らしながら、幸せを実感することはそれほど難しいことなのでしょうか? その理由とは、いったい何なのでしょう。

幸せになるための条件には色々な要素があり、個人によってそれらは大きく変わります。ただし、ほとんどの人に共通しているものも存在します。それは何かというと、「安全、安心で、安定した生活」を送れているかどうかということです。

つまり、どんな人であっても、幸せの大前提には「安全、安心、安定」という要素が大きく作用しているということになります。この点を踏まえると、今の日本社会の中で幸福感や満足感がなかなか抱けない理由がわかってくるかもしれません。

日本経済の低迷が続く中、景気の悪化による就業環境の不安定さに憂慮する人は少なくありません。仕事がうまくいかなければ、当然、収入は減り、それが将来への不安にもつながっていきます。それに加え、大震災や原発事故、最近では国際的なテロなどの出来事が続発し、多くの人がネガティブな心境に陥るようになりました。

これらのことは、明らかに私たちから「安全、安心、安定」を奪っているといえるものです。

であれば、再び私たちの生活に「安全、安心、安定」を取り戻せば問題は解決するはずですが、そう簡単に取り戻せるような状況ではないのが現在の日本社会です。

必ずしも幸福度を高めなかった、日本の戦後

戦後の日本は、極めて大づかみにいうと、欧米やアジアの諸外国に勝つために効率的な組織を作ることに奔走し、個人は大組織の一歯車として働くというスタイルを追い求めてきました。これにより、自分らしさを発揮することを抑制する社会が形成されていきました。

私たち日本人は経済成長よって安定を手に入れる一方で、自分らしさを主張して自らの夢を実現するという生き方を求めるという方向には向かわなかったのです。

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