「部下が育たない上司」は話の聞き方を知らない 「早く言ってよ!」という状況になるのを防ぐ

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まず部下の話を聞くことが大切(写真:ヤシの木/PIXTA)
部下のことをなんとか理解しようと普段から話を聞いたり、まめに声をかけたりしているけれど、「部下が何を考えているのかわからない」「部下が何に悩んでいるのかわからない」「部下の力を上手く伸ばすことができない」と悩んでいる上司は多いのではないでしょうか。

部下の指導をするには、部下の考えや行動を正確に把握する必要があります。しかし、イマドキの部下(イマドキ部下)の場合、ただ話を聞くだけでは、彼・彼女らの考えや行動を正確に知ることはできません。マインドやスキルセット、知識量など、イマドキ部下は1人ひとりの違いがとても大きく、画一的な指導では通用しなくなっています。そのため、話を聞くにも上司側の工夫が必要なのです。
イマドキ部下を伸ばす7つの技術』の著者であり、実際にイマドキの若者(現役高校生、大学生、新入社員)を指導し、伸ばしている福山敦士さんが、イマドキ部下を伸ばすコツを紹介します。

15分間、話を聞く時間をとる

部下に伝えたいことがあるときは、最終的な目的は〝伝える〞ことにあったとしても、その前提としてまず相手の話を〝聞く〞ことが大切です。

具体的には、部下の話を聞く時間を定期的に15分間、設けるようにしましょう。

15分間というのは1つの目安に過ぎませんが、聞く時間をとることで部下に対し、「僕には君の話を聞く姿勢がある」ということを明確に示します。このような時間を設けることが相互の信頼につながり、こちらが伝えたいことを伝えるための土壌づくりにもなります。

本当に伝えたいことをベストなタイミングで伝え、部下の行動を変革していくには、相手の話を定期的に「聞く」時間をつくるのがベストです。入社したての人なら1日1回、他のメンバーは1カ月に1回程度を目安に話を聞きましょう。

話を聞く時間を設けていないと、つねにこちらの都合で、相手にしてほしいことをお願いする形になってしまいます。それは例えるなら、キャッチボールをしたことがない相手に対し、いきなり豪速球を投げるようなものです。相手は準備ができていないため、ボールをキャッチできません。

相手に聞く姿勢ができていないために、こちらの話を素直に受けてもらえる可能性が下がり、そこから少しずつお互いの理解や認識がズレていってしまいます。

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