紀伊國屋とDNP、アマゾンに対抗する意図 大手書店グループのライバル両雄がタッグ
――Kinoppyとhontoのブランド統合はありうるのか。
高井 今後両社で電子書店事業を議論していく中で、それが合理的との結論が出るのなら考えていく。その場合、一方のブランド名が消えることになっても、仕方がない。
北島 統合ありきということではない。協議の中で決めていくこと。可能性は排除しない。
――アマゾンなど外資系ネット専業大手が及ぼす出版流通業界への影響は。
高井 アマゾンなどは送料無料や消費税の非課税措置(2015年10月から課税)で実質値引きをしてきた。再販制度で値引きできない国内のリアル書店の業界秩序をこれまで破壊してきたといえる。アマゾンなどによる出版流通市場の独占は業界にとって望まれてはいない。一部が生き残り、対抗勢力が衰退するのでは、出版文化の崩壊を招く。
書店を知のテーマパークにしていきたい
――他業態との協業も考えるとのことだが、具体的なイメージは。
高井 本だけの商売では厳しくなっている。すでに、生活用品を置いたり、喫茶店を併設したりする書店も現れた。書籍が軸だがそれ以外の商品も扱い、幅広い顧客層が楽しめる憩いの場として、書店を知のテーマパークにしていきたい。
――仕入れ・物流システムの共同化によるメリットは。
高井 版元や取次への仕入れ能力を高めていける。共同化で仕入れ効率も上げられる。両社で無駄な仕入れ・物流をなくすことができるだろう。
――他社グループからの合弁会社への資本参加も認めるのか。
高井 基本的には考えていないが、門戸を閉ざすつもりもない。新たなビジネスモデルを構築していくうえで必要と判断すれば、そういった可能性もあり得る。
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