紀伊國屋とDNP、アマゾンに対抗する意図

大手書店グループのライバル両雄がタッグ

第2に両社の会員向けポイントサービスの共通化を目指す。両社間でネットとリアル相互に利用可能なポイントサービスを検討していく。ポイントサービスのシステム構築が困難な地域の書店などの参入も呼び掛け、書店業界のデファクト・スタンダードにする計画。

第3には仕入れ・物流システムの構築だ。電子・ネット販売分も含めた仕入れ・物流システムの共有化、物流倉庫の統合化、仕入れ・物流業務の効率化を目指す。共同化で仕入れ機能を拡大させ、販売・在庫データを活用した売り伸ばしも可能となる。

第4に両社が保有する海外リソースを生かしたビジネス構築を目指す。紀伊國屋は海外8カ国に27店舗を持ち、DNPも海外拠点が多い。日本文化の海外発信や海外における販売強化を共同で検討していく。第5にはリアル書店とネット書店の相互連携による読者サービスの向上だ。アマゾンなどネット専業大手にはできない、リアルの集客サービスを検討する考えで、他業態との協業も含め、「子供から高齢者までが楽しめる知のテーマパークとしての書店モデルを構築したい」(高井社長)としている。

3月19日に行われた共同会見の主な一問一答は以下の通りだ。

できるものから進め、年内から順次実施

紀伊國屋書店の高井昌史社長

――具体的な事業化へのタイムスケジュールは。

高井 両社からメンバーを募り、テーマごとに調査・研究、施策検討していくので、半年、1年の時間軸は必要だろう。システム共同化などは時間を要するため、ポイントサービスの共通化などは来年になるかもしれない。ただ、スピード感は大事。できるものから進め、年内から順次実施していきたい。

――共同事業なら合弁会社を設立しなくてもできるのではないか

高井 両社間で協議をしていく中で、やはり出資をすることで経営者としての「覚悟」を示す必要があった。当然、この合弁会社の提言が、それぞれの親会社に及ぼす影響は大きい。

――リアルとネットの両方で読者を食い合う形にならないのか。

高井 両社で各々のブランドを提供しながら、電子やネット事業の共同事業を通して顧客をリアル店舗に誘導させる仕組みを構築していく。リアルとネットの両方を持つハイブリッド書店としての強みを構築していく。

北島 電子とリアルが食い合うのではとの議論は以前からもあるが、われわれとして両者をゼロサムで考えるのではなく、プラスサムで知恵を絞っていくことにしている。

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