ブログで稼ぐ女性が「瓶詰め食品」を始めたワケ 「クラファン開始後3時間」で目標金額を達成
ITの世界では、PVやフォロワー数、売り上げなど数字がすべてである。ブログのアクセス数が伸びるのと比例して収益も上がっていった。海下さんはそこにやりがいを見出し、法人化してウェブ集客や販促の仕事に本腰を入れた。
すべて順風満帆だった。が、尊敬している先輩経営者と話しているときに言われたひと言が喉に刺さった小骨のように心に引っかかった。
「『社会的意義や大義を持って取り組まなければ長くは続かないよ』と言われたんです。それまで私は数字を伸ばすことを第一にしていて、社会的意義なんて考えたこともありませんでしたし、いくら考えても答えを見出すことができませんでした。それ以来、仕事をしていても今ひとつ自信が持てず、迷走したまま時間が過ぎていきました」(海下さん)
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々の生活は一変した。街から人が消えて、飲食店や、そこに食材や酒などを卸す業者も大きな打撃を受けた。海下さんの周りでもコロナ禍で仕事を失った話を耳にするようになり、自分のスキルで世の中の役に立つことはできないかと模索していた。
「その一方で、コロナに便乗して商売をして『いくら稼いだ!』という人も少なくありませんでした。当時、飲食業の友人とコンタクトを取っていたこともあって、そんな状況に違和感を覚えていました」(海下さん)
クラファン開始3時間で目標金額を達成
そんなとき、知り合いの紹介で大阪・天満橋の居酒屋『一将丸』の店主、小城正樹さんと出会った。小城さんは中学を卒業してから20年以上、まぐろ漁師として働いていた。目利きで仕入れた生のまぐろがお値打ちに食べられるのが店の自慢だった。
もともと店は京橋にあり、天満橋に移転して1カ月ほどで緊急事態宣言が発出されたのだった。そこで店や従業員の生活を守るために、店頭で販売していた「おかず味噌」をネットで売ることができないかという相談だった。
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