ブログで稼ぐ女性が「瓶詰め食品」を始めたワケ 「クラファン開始後3時間」で目標金額を達成

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昨年8月には、第2弾となる大阪・京橋『新世界 串かつ おこま』の「国産牛すじ肉を使った贅沢どて焼き」がクラウドファンディングで販売を開始した。同店もコロナ禍で大きな打撃を受け、店の存続をかけて商品を開発したのだった。

「国産牛すじ肉を使った贅沢どて焼き」は、器に移して電子レンジで温めるだけ。価格は1200円(写真:SPOON DELI -OSAKA-)

どて焼きとは、牛すじとこんにゃくを味噌で甘辛く煮込んだ、大阪の串かつ屋では定番のメニュー。串かつが揚がるまでのつなぎとしてビールとともに注文する客も多い。

「お店に入るなり、『とりあえず、どて焼きとビール!』というのが大阪では当たり前の光景ですが、全国ではまったく知られていません。商品を通じてこの大阪の食文化を伝えたいという気持ちもありました」(海下さん)

本格フレンチを瓶詰めに

「国産牛すじ肉を使った贅沢どて焼き」は、店で提供しているものと同様に、口の中でほどけるやわらかい国産牛すじをふんだんに使用。牛すじ肉の濃厚な味わいと味噌のコクを堪能できるように余分な脂を徹底的に取り除いているのも特徴だ。

クラウドファンディングでは目標金額の20万円を初日に突破。最終的には400%達成となる80万円を集めた。

クリームチーズを塗ったバケットの上に「彩り野菜と鯛のコンフィ」をのせたブルスケッタ。「彩り野菜と鯛のコンフィ」の価格は1200円(写真:SPOON DELI -OSAKA-)

川端さん考案の「彩り野菜と鯛のコンフィ」は、今年1月から商品化に向けて試行錯誤を重ねて取り組み、やっとの思いで完成させた商品だという。コンフィとは、食材を低温の油でじっくりと煮たフランス料理の調理法である。

「もともとはビストロの定番の豚肉のパテを作ろうと思っていたのですが、製造工程の中でどうしてもうまくいかず、断念せざるを得なかったんです」と、川端さんは振り返る。

何度も打ち合わせする中で、以前に川端さんがサーモンのオイル漬けを提案したことを思い出し、豚肉のパテに代わる商品として開発を進めた。

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