ブログで稼ぐ女性が「瓶詰め食品」を始めたワケ 「クラファン開始後3時間」で目標金額を達成

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「小城さんは、お客様はもちろんのこと、漁師仲間や市場関係者、運送業者もとても大切にされていて、『自分が商売するってことは、自分の商売に関わってくれている業者や生産者に貢献することでもあったんやな。コロナになって改めて気づいたわ』とおっしゃいました。そんな小城さんの姿勢から、困っている人を助けることが商売の基本であることを学びました」(海下さん)

ご飯にもよく合う「焦がしまぐろのおかず味噌」。価格は1200円(写真:SPOON DELI -OSAKA-)

『一将丸』の「おかず味噌」は、「焦がしまぐろのおかず味噌」と名付けられた。まぐろ漁師として長年培った目利きで仕入れた生のまぐろを使用。フレーク状になるまで加熱し、試行錯誤を重ねて考案した素材と調味料の黄金比で仕上げ、まぐろの旨味を最大限に引き出している。

「焦がしまぐろのおかず味噌」と、それをさらにアレンジした「まぐろ味噌の和風ディップソース」と「ごま油香る まぐろ味噌」の3種類をクラウドファンディングで販売したところ、開始わずか3時間で目標金額として設定した20万円を突破し、最終的には3倍を超える76万7100円が集まった。

SDGsの時代に合わせてプラスチック容器から瓶詰めへ

「少食だったウチの子供がおかわりをした」「アレンジ次第でいろんな料理に使える」など評判は上々だった。また、当初は『晩酌すたいる』というブランドで酒の肴として扱っていたが、購入した客から、「子供が気に入っている」という感想が多いのに、お酒を連想させるブランド名ではもったいない、という意見が寄せられた。また、当時はプラスチック容器に詰めていたため、SDGsの時代に則さないことや贈答用に瓶詰めにしてほしいという意見もあった。どの意見も納得する部分が多かったので、すぐに採り入れた。

「焦がしまぐろのおかず味噌」は、キュウリやキャベツなどの野菜にのせるだけでお酒のおつまみになる(写真:SPOON DELI -OSAKA-)

「瓶詰めは工場での加工をしてもらわなければなりません。大量発注が基本ですから在庫リスクを抱えてしまうため、なかなか踏み出せなかったのですが、私達の活動を聞いて柔軟に対応してくださる工場と出合うことが出来ました。そして、大阪のグルメブランドとして売り出していけるように『SPOON DELI -OSAKA-』と命名しました。コンセプトは、“食卓に添えるひとさじの幸せ”で、瓶詰めの商品をラインナップしていこうと」(海下さん)

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