イオン大型「冷凍食品専門店」で売れる意外な商品 2000円前後のビーフシチューや参鶏湯が売れ筋
うち半数は既存のイオンでも扱う商品。例えば餃子やチャーハンなど定番の冷凍食品だ。
あとの半分はこのショップのために新たに集められた商品である。目玉は「俺のフレンチ」をはじめとするレストランや、寿司、中華など専門店のメニュー、ピカールの冷凍食品などだ。スイーツコーナーも充実している。
売場は「Heat(専門店の本格メニュー)」、「Eat(銘店スイーツ)」、「Cook(便利な冷凍食材)」の3つのコーナーに分けられており、それぞれオレンジ、ピンク、緑のキーカラーで示される。また、売れ筋商品のランキングを掲示したり、ショーケースにデジタルサイネージを取り付け、商品の詳細情報を掲示している。これは、視覚に訴え、購買意欲を高める工夫だろう。冷凍ショーケースは扉を閉めっぱなしにせざるを得ず、ぱっと見どこに何があるかわかりにくいし、そっけない印象になりがちだからだ。
朝・昼・おやつ・ディナー・デザートすべてに対応
イオンとして初の試みとなる冷凍食品強化型店舗の狙いについて、イオンリテール、食品本部デイリーフーズ商品部長の青木郁雄氏に聞いた。なお、同店はイオン店舗内の売場としての位置付けのため、「冷凍食品専門店」ではなく、「冷凍食品強化型店舗」と表現している。
「食では『5チャンス』といって、朝・昼・おやつ・ディナー・デザートと、日に5回の機会がある。それらすべてに当てはまる品ぞろえを目指した。また、既存店では扱わない高級志向の商品や、直輸入のジェラートといった差別化商品に加え、プライベートブランドのトップバリュもそろえた」(青木氏)
扱い商品については基本的にバイヤーが試食をして客の要望に応えられるものを選んだ。価格帯も敢えて上限は決めていないという。既存店でも販売している100円以下のアイスクリームもあれば、2980円の専門店メニューもあるといった具合に幅広い。
またベビーフード用のミールキットや、例えば骨を抜いて食べやすくした魚のように高齢者を意識した調理品など、客層が限られる食品も扱う。
「冷凍食品強化型店舗」として幅広く品をそろえているわけだが、他に、@フローズンの出店がイオンリテールにとって一つの実験だからという理由もある。
青木氏によると、冷凍食品は共働き世帯の増加などを背景にコロナ前から市場が拡大しており、既存店においても売り場面積を増やす傾向にあったそうだ。
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