イオン大型「冷凍食品専門店」で売れる意外な商品 2000円前後のビーフシチューや参鶏湯が売れ筋
コロナでさらに中食の需要が高まり、売り上げはコロナ前の3割増しで伸びている。コロナ禍が収束してもこの傾向が続くとみて、さらに冷凍食品への注力を高めようとしているわけだ。@フローズンの取り組みはその先駆けとなる。より多くのデータを収集し、市場可能性をはかる意味も、同店の出店には込められている。
浦安の立地を選んだのも、冷凍食品を持ち帰れる距離圏内に人口が密集し、単身・共働き世帯の双方、年齢層的にも幅広く居住しているため、データ収集に最適だからだ。
売れ筋の商品はスイーツや高価格帯のディナー
では、オープンから3カ月が経過する現在、実際にどんなデータが得られているのだろうか。
まず売り上げに関しては計画値の2倍程度という。これは客数が多いことに加え、単価の高さによる。
「売れるものが隣接の既存店とは異なる。例えばトップバリュの中でも既存店では200円前後のうどんや餃子などが上位。しかしこちらの売れ筋1位は800円ぐらいする『黒酢酢豚』。お客様の『買い物スイッチ』が違うという印象を受けている。売場を回るお客様の様子も、欲しい商品をめがけて来ているというよりは、何か珍しい商品はないか探しながら買い物を楽しんでいるように見受けられる」(青木氏)
同店を訪れる客の目的は日常遣いの食材を仕入れるというよりは、お気に入り商品を見つけることのようだ。そのため、普通のスーパーなどに出回っていない商品ほど売れるし、価格が高くても購入していく。
とくに売れ筋の商品はスイーツや高価格帯のディナーだ。「俺のフレンチ」の「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」(1980円)や、Z’sMENUの「明洞で食べた参鶏湯」(2980円)は開店以来ランキング上位にある。またピカールの商品も人気が高く、クロワッサンやマカロンがよく出るという。
このように@フローズンと既存のイオンではスイッチ=つまり買い物の目的が異なる。実は同店にはすぐ隣に「イオンスタイル新浦安」があるのだが、競合せず、冷凍食品の売り上げへの影響もなかったそうだ。つまり@フローズン独自の客層が広がったことを示す。
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