東京駅から30分、日本最小「蕨市」の知られざる魅力 かつては城もあった!?「蕨」が見せる多面性

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日本最小の市「蕨」の歴史と実際に歩いてみたまちの様子とは?(筆者撮影)
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埼玉県は日本で最も「市」の数が多く、40市がある。なかでも最も小さいのが「蕨市」だ。面積はわずか5.1平方キロメートル。埼玉県はもちろんのこと、日本国内で最も小さい市だ。ちなみに、日本で最も大きな市は岐阜県高山市で、面積は2177.6平方キロメートル。ひとくちに「市」といっても面積がいかに違うかがおわかりいただけるかと思う。

ちなみに、蕨市と近い面積のものとしては、沖縄県の普天間飛行場があげられる。また、千葉県の成田国際空港や東京都千代田区は蕨市のおよそ倍の大きさだ。

蕨市の人口は約7万5000人。面積をおよそ5平方キロメートルと考えると、1平方キロメートルあたり1万5000人弱が暮らしている計算だ。この人口密度は日本の中でもトップクラスで、東京23区を除くと全国トップだ。

このように小さい面積の中に多くの人が暮らすまち、蕨市。本記事ではデータや歴史、実際に歩いてみたまちの様子からどのようなまちなのかを探っていきたい。

「蕨」いったいどこにある?

埼玉県蕨市は県庁所在地のさいたま市と埼玉県で2番目に人口が多い川口市に挟まれた位置にある。東京駅からは京浜東北線で所要時間約30分。市内には蕨駅が設置されている。

また、東京との間を結ぶ交通としては国道17号線が通っている。起点の東京・日本橋からはおよそ20kmと比較的東京に近い。実距離・時間距離双方をみても東京の郊外といえる位置だ。

蕨城址公園(筆者撮影)

「蕨」の地名の由来は諸説あるが、歴史上にでてきたのは鎌倉時代のことだ。その後、室町時代には足利一門の渋川氏によって蕨城が築城され、その後、扇谷上杉氏と後北条氏の争いの舞台ともなった。現在、蕨城の遺構はほぼないが、和楽備神社の近くに城があったとされている。

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