「夏にチョコが食べづらい」解決した逆転の発想 問題解決は得意だが、問題発見は苦手な日本人

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここで覚えておいていただきたいのは、「問題発見」>「問題解決」だという点です。

実は、近年「画期的な商品(サービス)だ」といわれているものは、「問題発見」ではなく「問題解決」しているものばかりです。

「問題発見」ができた商品やサービスは、人々のライフスタイルを変えるぐらいのインパクトがあります。

それがAmazonであり、UberやAppleなどが成し遂げたことです。日本ではメルカリやLINEもそれに当たります。

対して、日本のタクシーアプリはUberの配車システムをタクシーで使えるようにしただけですし、ナイキの厚底シューズにしても靴底にバネを入れたようなもので、昔から似たような商品はあります。こういう製品はすでにある問題の解決にすぎません。

基本的に日本人は、問題解決は得意ですが、問題発見は苦手です。

ランナーがより速く走るためのシューズは、足に負担をかけないようにクッション性を高くする、反発力を強くするなど問題点はハッキリしているので、それを一つ一つ解消していけば、いいシューズができます。

一方、キットカットは夏場の売り上げは落ちていたのですが、誰もが「そういうものなんだ」と思うだけで、問題だと認識していませんでした。

それを「焼く」という斜め上の発想で解決したのです。このようなちょっとしたことでも、十分イノベーションになります。

今後、問題発見力に優れたビジネスパーソンは、どこの企業でも求められるでしょう。問題発見力があれば、世界中の企業で仕事ができます。

したがって、どんな時代でも生き残っていけるビジネスパーソンになるためには、問題発見力が最強で最大の武器になるのです。

ガムが売れなくなった本当の原因

人々のライフスタイルが変わるにつれ、思いがけないところに影響が出るようになりました。

例えば、JRの駅のホームにあったキヨスク。

キヨスクはこの20年で3分の1に店舗数を減らしています。改札付近にあるコンビニに置き換わったと考えるのは簡単ですが、実はもっと根深い問題が隠されています。

キヨスクの主力商品は新聞、雑誌、ガムでした。これらの売り上げが落ちてきたからキヨスクは姿を消していったのですが、興味深いのは、この3つに影響しているのがスマートフォン(以下スマホ)だという点です。

新聞や雑誌がスマホに置き換わるのは分かります。

私は東京に来たばかりの頃、満員電車に揺られながら縦に細く折った新聞を読んでいるサラリーマンの姿を見て驚きましたが、そんな姿を見かけることはなくなりました。今や、電車内でスマホを見ていない人を見つけるほうが難しいぐらいです。

次ページまったくの異業種がライバルに
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事