メルカリ「働き方改革」先進企業になる納得の理由 これができないと人材獲得競争で泣きを見る

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どの環境でもプロとしてしっかり仕事をしよう、会社全体の目標やチームの目標、生産性、結果にコミットしていこうという意識があり、社員はみんなその点を意識して行動していると感じています。

オフィスのあり方が働き方をつくる

──新しい働き方に合わせてオフィスをリニューアルされたそうですが、その狙いを教えてください。

「YOUR CHOICE」を始めてから、オフィスをどうするかという議論をずっとしてきました。

オンライン・オフライン問わず、組織が一体となり、会社のミッション達成に向けて、社員同士のコミュニケーションをより深められるようなものを目指したい。そのためには、オフィスを、それに適した場所にしようということになったのです。

新しいオフィスには、3つのコンセプトがあります。

1つ目は、「Boost Communication」。社員同士のコミュニケーションを活性化しようというものです。

オープンスペースを多く設けて、どこでも自由に座って仕事ができるようになりました。会議室は、壁が開放された半個室になっており、開放的な気分で議論ができます。壁は全面ホワイトボードになっていて、意見交換がしやすい環境になりました。

2つ目は、「Support “YOUR CHOICE”」。社員が多様な選択肢の中で、働く場所を決められるようにしようというものです。

11月30日(水)に開催される「ウェルエイジング経済フォーラム」に 『リデザイン・ワーク 新しい働き方』の著者リンダ・グラットン氏が登場します。 コロナ禍になって以降初の来日講演です。詳細はこちら

その一環として、リラックスできるスペースや、1人用のフォンブースを増設しました。出社をする日でも、オンライン・ミーティングの予定がある人は多いので、そういった状況にも対応できるようにしています。

そして3つ目が、「Embody Foundations」。組織の土壌となる価値観を育むということです。

メルカリは、資源を循環させる豊かな社会を目指しています。そのため、多目的に使えるウェルネスルームを設置する際には、地球環境に配慮した再生素材を活用しました。会社のカルチャーを、オフィススペースにも反映させたと言ってもいいかもしれません。(つづく)

(構成:泉美木蘭)

山本 真一郎 メルカリ執行役員 VP of HR Marketplace

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やまもと しんいちろう / Shinichiro Yamamoto

アメリカの大学院を修了後、新卒でP&Gジャパン人事部に入社。工場人事責任者や日本/韓国の人材開発責任者などのHRリーダー職を担う。その後、J&Jジャパンでの事業部人事責任者を経て、2017年GEヘルスケアジャパンに入社。アジア太平洋地区の事業部人事責任者や日本の組織人材開発およびHRBPリーダーを務める。2021年7月にメルカリJPのHRディレクターとしてメルカリに入社。22年7月より現職。

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