ひょんなことから1円で7LDKの家を買った男の話 自分で住むのもよし、人に貸せば家賃収入も

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できるだけ早くと思いながらも、それは親が残してくれた「遺産」ですから、できれば高く売りたいという欲が出ます。欲を出して高く売ろうとするから、いつまで経っても買い手がつかず、家がだんだんと古くなってしまい、気がついたときには、人が住めない空き家になっているのです。

家というのは、どれだけ古くても、どれだけボロ家であっても、「人が住める状態」であれば、売ることも、貸すこともできます。古い家であれば、手を入れてレトロ感のある店を開くために買ってくれる人がいます。賃貸であれば、格安の家賃にすることで、住みたい人が出てきます。ニーズがないのではなく、ニーズの受け皿になっていないから、買い手も借り手もつかないということです。

実際、僕が全国各地に持っている数百軒の家のなかで、賃貸人が住んでいない未入居状態の家は、ほんの数軒しかありません。それは、自分でできる範囲のリフォームは業者に頼まず、僕がコツコツと改修に回っているためで、そこまで手が回っていない家に限られています。

リフォームせずに貸せた!

実際に僕が投資している物件を1つご紹介します。この家は、ネットの「空き家バンク」で見つけて1円で買いました。山形県の南部にある人口1万5000人ほどの小さな町にある物件です。

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この家のいいところは、2階建て7LDKの広さがあり、クルマが3台も入るガレージ付きの駐車場があることです。ラッキーだったのは、和室の畳なども新品同様の状態なので、リフォームする必要がなかったことです。

実は、この家を買う時に町のことを調べていたら、あることに気づきました。この町には、賃貸住宅がほぼ1軒もないということです。地元の人に話を聞いてみると、「このあたりは借りる人がいないから、賃貸はできませんよ」と教えてくれました。

しかし、家賃4万3000円で募集を出したところ、すぐに6人家族が入居してくれました。これまでに何度か入れ替わっていますが、そのたびにすぐに入居者が決まっています。

すぐに入居が決まる理由は、家賃でも2階建て7LDKいう広さでもなく、単純に「他に賃貸住宅がない」ということのようです。

「賃貸できない地域」といわれているのは、借り手がいないとか、賃貸需要がないからではなく、賃貸物件がないから、そういわれているだけのことです。都会に住んでいる人は、「地方ではあまり人の移動がないだろう」と考えがちです。この町のケースで考えても、小学校や中学校の先生などは転勤が多いですから、つねに賃貸住宅を探している状態でした。

家投資を進めて、賃貸住宅として人に貸し出す際には、最初から賃貸住宅がないエリアを探して買うのも、有効な作戦のひとつだと思います。僕も、そうした視点で家を探して、実際に人に貸している家が全国に何軒もあります。

不動産会社などは、確実に賃貸需要が見込めるエリアを狙って物件を探していますから、その「逆張り」をすることが効果を発揮するのです。

永野 彰一 投資家・事業家

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ながの しょういち / Shoichi Nagano

1990年生まれ、東京都出身。早稲田大学法学部卒業。14歳の時に取得した「乙種第4類危険物取扱者」を手始めに、100を超える資格を高校在学中の2年間に取得。最年少取得記録を多数保有している。プロの雀士でもある。現在は不動産投資家として活動し、全国に数百の山や戸建て、アパートなどを所有。「山王」と呼ばれている。テレビ東京『日経スペシャル ガイアの夜明け』などメディアにも多数出演。著書に『一生お金に困らない山投資の始め方』など。

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