売れ残った古都の家屋を人気物件にしたDIYの技 空き家になるのはそれなりのワケがある

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空き家を手に入れたら、自分が住む場合でも、賃貸に出す場合でも、きちんと住める状態に整える必要があります(写真:kapinon/PIXTA)
現在、全国各地で「空き家問題」が深刻化しています。空き家の増加によって、公衆衛生や治安の悪化など、周辺地域にさまざまな悪影響が出ています。ところが今、その空き家に目を付け、「家投資」に励む1人の男性がいます。その男性の名は永野彰一(32歳)。
永野氏は「山」への投資で注目される若手投資家ですが、現在は「家」への投資を並行して進めており、その体験を『一生お金に困らない家投資の始め方』にまとめて出版しました。なぜ空き家に投資するのか? メリットは? リスクはないのか? 3回にわたり永野氏に聞きました。
1回目:ひょんなことから1円で7LDKの家を買った男の話
2回目:4000万円の豪邸を120万円で買ってわかったこと

空き家を手に入れたら、自分が住む場合でも、賃貸に出す場合でも、きちんと住める状態に整える必要があります。すべてをリフォーム業者に丸投げするのでは、お金がいくらあっても足りません。

自分でできることを可能な限りやってみると、出費が抑えられるだけでなく、家に対する愛着も生まれます。それが家投資を続けていくための原動力となるのです。

ブロック塀を壊して駐車場

実際に僕が投資している物件を1つご紹介します。新潟県魚沼市にある一軒家です。

魚沼市というのは、新潟・中越地方の南東部にあるところで、お米の「魚沼産コシヒカリ」の産地として有名なところです。この家は、知り合いの不動産会社から話が来たのですが、ちょっと変わった形の売買交渉となりました。

持ち主が別の場所に引っ越しをするため、家が不要になったというのですが、建物が古く、ブロック塀があって駐車スペースがないので、まったく売れないというのです。地方暮らしではクルマは必需品ですから、駐車場がない家は対象外とされてしまうことが多いのですが、とくに魚沼市のような日本有数の豪雪地帯の場合は、駐車場がなければ誰も見向きもしてくれないため、売りたくても売れないのです。

最初は100万円で売り出したものの買い手がつかず、50万円に値下げしてもダメだったので、僕に話が回ってきたようです。不動産会社としては、仲介をするつもりはないが、興味があるなら、自分で調べてみたらどうか……という話でした。

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