売れ残った古都の家屋を人気物件にしたDIYの技 空き家になるのはそれなりのワケがある

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現地に行って内覧してみると、きちんと手入れがされていて、すぐにでも住めるような状態になっていました。その日に売り主に会いに行って、「1円で売ってくれるならば、契約書などもすべてこちらですべて作ります」と交渉したら、その場で、「よろしくお願いします」と承諾を得ることができました。

この家で最初にやったのは、ブロック塀を自分で取り壊して、駐車スペースを確保することです。家とブロック塀の間にはわずかな隙間しかないため、1台分のクルマを停められるだけの空間が、やっと作れるという感じです。

魚沼市の一帯は冬は市街地でも平均2メートルほどの積雪量がありますから、「この狭さでは、満足に除雪もできないな」と心配になるくらいのスペースでした。

知らない土地に家を買って住み始めると、ときには近隣の怪しい人が接触してくることもあります。このときも、ブロック塀を自分で壊し始めたら、怖そうな人が寄ってきて、「お前さ、何を自分でやってるんだよ。許可も取らずに」みたいなことを言われました。

「あれっ、許可がいるんですか?」

「俺の許可がいるんだよ。俺が30万円でやってやるよ」

仕方がないので、「それでは検討してみます」と答えて、その後もひとりで壊し続けましたが、とくに何ごとも起こらずに済みました。

破壊したブロックの欠片は採石場に持っていけば、安く捨てることができます。30万円というのは完全にボッタクリ料金ですが、最初から業者に頼るのではなく、最初の段階で「自分でできないものか?」と検討してみることが、費用の圧縮につながります。

ブロック塀などは、素人の手には負えないと考えがちですが、その勝手な思い込みは、あまり意味がないことなのです。

売り主の言い値を鵜呑みにしない

家投資を進める上で避けて通れないのが、価格交渉です。売り主が提示している金額というのは、あくまで相手の「言い値」ですから、それを鵜呑みにする必要はありません。

販売価格が100万円の家に対して、「50万円でどうでしょうか?」と聞くと、「それは無理だよ。売り値が100万円なんだから、1割引いて90万円が限度だな」ということがよくあります。

「売り値が100万円というのは、どんな根拠があるのですか?」この質問に対して、きちんと答えられる売り主はほとんどいません。「これが相場だよ」とか、「そのくらいの価値はある」というあいまいな説明で逃げ切ろうとするケースが大変です。要するに、「売り主が決めた金額」=「販売価格」という考え方なのです。

大事なのは、自分から見て、「いくらが妥当なのか?」という点と、「いくらならば、買いたいと思うか?」ということだけです。相手が2割引いてくれたからと、大喜びするような時代は、すでに終わっているのです。

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