売れ残った古都の家屋を人気物件にしたDIYの技 空き家になるのはそれなりのワケがある

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実際に僕が投資している京都の物件は、価格交渉の末、100万円で購入しました。この家は京都の南にあって、4DKの2階建て一軒家です。多拠点生活を楽しみたい人にとって、京都は魅力的な土地柄でしょう。実は、この家は500万円で売り出されていた物件です。

京都に家が欲しいと思っていた僕は、何度も地元の不動産会社に足を運んで、「100万円で売ってほしい」と交渉を続けていました。あるとき、僕は不動産会社の担当者にこう切り出しました。

「ずっと売れてないですよね。今日、100万円で売らないのなら、もう買いませんよ」すると、その日のうちに「100万円で問題ありません」という連絡が来ました。

ちなみに、「この金額でダメなら、もう買いません」というフレーズは、不動産売買の際の常套句のひとつです。不動産会社の人がよく使う「他にも買いたい人がいます」と同じようなものです。

家が傾いていたけど…

この家がずっと売れなかった理由は、ハッキリとわかっています。家の中の床が、すべて傾いてしまっていることです。1階の床が8%、2階の床が4%ほど傾いて、キッチンの床はすっかり抜けていたのです。一般的には、0.6%以上の傾きがあると人は住めないとされていますから、8%は過剰というか、異常な数値です。

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この家の横には小さな川が流れているのですが、近くに用水路があったり、川が流れていたりすると、その水分が上がってきて、水のある方向に床が傾いてしまうのです。僕はこの家の傾きを、そこに寝泊まりしながら、1カ月くらいかけて自分で直しました。

この家を4万5000円の家賃で出したところ、その日のうちに4件の問い合わせがあって、即日で入居者が決まりました。入居者を募集する際、僕はこの家を「DIY賃貸」として貸し出すことにしました。

DIY賃貸とは、入居者が自由に家の中をリノベーション(改修)してもいいという賃貸住宅のことで、ここ数年で全国各地に増えています。自分の好きなように家の中を改修できれば、愛着が湧いて長く住んでもらえる可能性がある……ということで、有効な空き家対策としても注目を集めています。

永野 彰一 投資家・事業家

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ながの しょういち / Shoichi Nagano

1990年生まれ、東京都出身。早稲田大学法学部卒業。14歳の時に取得した「乙種第4類危険物取扱者」を手始めに、100を超える資格を高校在学中の2年間に取得。最年少取得記録を多数保有している。プロの雀士でもある。現在は不動産投資家として活動し、全国に数百の山や戸建て、アパートなどを所有。「山王」と呼ばれている。テレビ東京『日経スペシャル ガイアの夜明け』などメディアにも多数出演。著書に『一生お金に困らない山投資の始め方』など。

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