常見:より信頼関係が深まったわけですね。そこまで築くために、他にも心がけていたことなどはありますか?
謝:お客様が追い詰められてしまい「もうこれしかないです」という状態をなるべくつくらないことですね。いろいろトラブルが起きても、これができる、これもできる、どれにします?と一緒に相談して決められる関係でありたいと思っています。
顧客と一緒に企てる。市場を創造する、動かす挑戦を
《顧客とは何だろうか。今回の座談会で、改めて考えた。「お客様は神様です」という三波春夫の言葉が独り歩きしているが、顧客もまた私たち同様、ビジネスパーソンである。「神様」と捉えるのは違うし、言いなりになるものよくないし、お金をいただく「売り込み先」と捉えても失礼だ。
今回の座談会からは顧客と一緒に市場をつくる、動かすということを学んだ。最終的な依頼主、発注主は顧客であり、対価を頂くことにはなる。ただ、その関係をこえて、ビジネスパートナーとして市場を創造する、盛り上げていくうねりをバンダイの佐藤さん、富士通の今井さんの取り組みから感じた。
三井物産の謝さんの「お客様を叱ってしまった」というエピソードは字面だけ見ると乱暴に見えるかもしれない。ただ、真剣に顧客のことを思ってこそのビジネスパートナーとしての責任からの言動だろう。このような、ホットでウェットな話はさまざまなことで萎縮、自粛、様子見になってしまう新型コロナウイルス禍後の世界では、特に心に響くものだ。
あなたは顧客とどのような関係を築いているだろうか。顧客と一緒に市場を創ろう、盛り上げよう。5人の仕事論がより深く語られる
後編にもご期待いただきたい》
(後編は11月23日公開予定です)
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つねみ ようへい / Yohei Tsunemi
1974年生まれ。北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。同大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。リクルート入社。バンダイ、人材コンサルティング会社を経てフリーランス活動をした後、2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師に就任。2020年4月より現職。専攻は労働社会学。大学生の就職活動、労使関係、労働問題を中心に、執筆・講演など幅広く活動中。『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など著書多数。
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