常見:売り方がエンターテインメントですね。でも、関係者の調整が大変だったのでは?
佐藤:仮面ライダーはもちろん、ウルトラマンやスーパー戦隊シリーズも、 キャラクターの版権元様から許諾をいただいて商品化するものなので、なかなか自分たちの提案だけで企画を通すのは難しいです。でも、どうにかしたくて作戦を立て実現しました。
さらに、コラボキャラクターに加えて、仮面ライダーの「変身」の部分にフォーカスして、子どもたちが実際にベルトを巻き付けているシーンを集めてみたら相乗効果が起こるんじゃないか、ぜひこれで全国の子どもたちを震わせようと考えました。
ただ単に限定品というだけでも売り場にお客様を動員できると思ったんですが、プラスアルファの仕掛けが功を奏して、いざ蓋を開けてみたら、お子様だけでなく、大人の方々も必死にベルトを巻き付けて来てくれたんです。玩具業界を盛り上げたい一心で生み出したアイディアでもありました。施策として大成功を収めることができ、社内で表彰もされました。
いわゆる「フェス」のような現象を売り場で起こせたら、と狙っていました。結果、予想以上に幅広い年齢層の方々が集まってくれましたが、売り場で、私たちの商品でなくても何かひとつおもちゃを手にとってもらえたら、それが次につながる。もちろんトイザらス様の集客にも貢献できますし、そうやって玩具業界を盛り上げられたら、収穫はいずれうちにも返ってくる。カッコよく言うとそんな感じです。
ダメだと言われていることに蓋をするのではなく、むしろそこを糸口としておもしろいことを提案さえすれば報われる、と学びましたね。
常見:ファンはもちろん、さまざまな関係者を巻き込み、業界全体を盛り上げる、「巻き込み力」のあるバンダイらしい仕事だと思いました。
ギャンブルのDX、業界イメージを変える挑戦
今井: 私も、社会人1年目の時に「新規領域を任せてほしい」と上司に直訴しまして、初めて地方の競馬場のお客様にアプローチをしました。これまでの富士通は地方競馬全場を束ねている団体が主なお客様で、地方の競馬場という個々のお客様に対してはなかなか営業をしていませんでした。そこに目をつけたのです。
競馬業界はまだまだIT化されておらず、紙の資料やFAXによる運用が主流でした。ここにITを活用した効率化を提案するわけですから、もともとハードルの高い提案でした。地道に足を運んで提案しました。
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