「セレブな街」港区に埋もれる単身高齢者の孤立 正月三が日を「独りで過ごした」が3割超

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高齢者の孤立問題と裏表にあるのがマスコミで「所在不明高齢者問題」として報じられてきた潜在的貧困だ。2010年、東京都足立区で、生きていれば111歳の男性が白骨化した状態で発見された。同居家族が親を生きていることにして年金を受けていた。

困っている高齢者を見つけ出し、アプローチするのは実に難しい。その点、相談員が一人暮らし高齢者の家を一軒一軒回る港区の「ふれあい相談員」制度は先進的な取り組みだ。私自身、港区政策創造研究所の所長として、過去、同区で暮らす高齢者の実態調査に携わってきた。

税収は日本トップクラスの豊かな街だが、一人暮らし高齢者の状況は過酷だ。

正月「独り」の高齢者

私たちの調査でわかった結果の1つを紹介したい。正月三が日を誰と過ごしたかについて「独りで過ごした」が3割超もいた。2011年の調査だから、現在この割合はさらに高まっているだろう。

私の試算では、全国の一人暮らし高齢者の半数は生活保護水準以下の生活をしている。困窮し、正月も独りで過ごしている高齢者の数は今後さらに増えるだろう。経済的な豊かさだけを追い求めてきた戦後日本が、今、直視すべき現実だろう。

野中 大樹 東洋経済 記者

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のなか だいき / Daiki Nonaka

熊本県生まれ。週刊誌記者を経て2018年に東洋経済新報社入社。週刊東洋経済編集部。

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