「働きアリの法則」働かない2割、会社はどうすべき 社員の「自立・自律スイッチ」を押す3つの原則
昨今至るところで耳にする「人的資本経営」。経済産業省ではこれを「人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方」と定義しています。
リスキリングもトレンドワードとなっていますが、「人材の力」が企業経営において、さらに重要度を増していくこれからの時代、国内企業は具体的にどんなアクションを取ればよいのでしょうか。
筆者はこれまで、企業の組織力・人材力を強化するためのコンサルタントとして、採用・人事制度・人材育成にまつわるさまざまな仕事をしてきました。この記事では拙著『人材力・組織力強化アクションリスト』をもとに、「人的資本経営」を実践するうえで、多くの企業で高いハードルとなるであろう、人と組織の問題のなかから、「従業員の自立・自律のスイッチ」と「理想の人材力・組織力へ向けた強化のための3つの原則」についてお伝えしていきます。
「人的資本経営」と「人材力・組織力強化」
「人材力・組織力強化」とは、「個々人および組織がそれぞれの役割・職務をまっとうするうえで必須となる力の強化」を指します。
一般的に、これは「人材育成」という言葉で語られることが多いわけですが、この言葉はあらゆるシーンで語られてきたことで手垢にまみれ、かつ人によってイメージがバラバラになっていると筆者は考えます。
・「人材育成には時間がかかる」
・「管理職は人材育成をしなければならないが、何をすべきかわからない」
・「人を育成するのはおこがましい」
・「人を育成することで自分(育成を担当する側)も育つ」
・「人事制度における評価制度の運用は人材育成にほかならない」
・「人材育成は会社の根幹」
端的にいえば、こういったフレーズはいずれも印象や個人的意見の域を出ないままに、日々の「人材育成」がなされていると考えられます。例えば人材育成が会社の根幹であれば、経営的には一定の費用や時間を積極投資するのが筋でしょうが、そうなっていない会社も少なくありません。
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