「スッキリ」終了で遂に訪れたワイドショーの限界 続行する他番組のほうが実は深刻な状況にある
11月9日夕方、「『スッキリ』が2023年3月に打ち切り決定、17年の歴史に幕 すでに後任番組のキャストを調整中」という記事を週刊女性PRIMEが報じたことで、ネット上が「毎日見ているのに」「本当ならショック」などと騒然。さらに10日夕方、「MCの加藤浩次さんが番組終了を認めた」という続報が再び反響を集めたことを受けた日本テレビは11日に番組終了を正式発表しました。
11日の番組冒頭、加藤さんは「17年という期間をやらせていただいた」「はじまるときは『加藤なんて1年で終わるだろ』、加藤本人もそう思っていました」「感謝しかないです」などと清々しい表情で語りつつ、「だから残りあと5カ月、俺何言うかわかんないよ」と明るく話して笑いを誘いました。
「スッキリ」(日本テレビ系)と言えば、2006年4月のスタートから17年目の情報番組で、その内容は事件、政治、経済、衣食住、エンタメ、クイズなどを幅広く扱う王道のワイドショー。裏番組の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)や「めざまし8」(フジテレビ系)と比べても扱う内容の幅が広く、柔らかいテーマが多いため、現在民放各局が最も求めるコア層(10~40代)の視聴率も常にトップクラスをキープしてきました。
日本テレビは終了の理由に、「テレビを取り巻く環境やニーズの変化に対応するため」を挙げましたが、これは表向きの1つに過ぎないでしょう。ワイドショーの中では若い世代のファンも多い「スッキリ」の終了が、他のワイドショーに影響を及ぼさないはずがありません。実はこのところ各局でワイドショーのあり方を考えさせられる機会が増えていて、番組ジャンルそのものが過渡期を迎えているのです。
「スッキリ」の終了にはどんな背景があり、今後ワイドショーはどうなっていくのでしょうか。
BPOとネット上の声に防戦一方
「スッキリ」の終了に関しては、やはり2度にわたる放送倫理・番組向上機構(BPO)の審議入りが原因の1つになったことは否めないでしょう。
1つ目は昨年3月、出演者のアイヌ民族に対する不適切発言があり、放送倫理違反が指摘されました。2つ目は今年1月、ペットサロンに預けられた犬が急死した理由などを報じ、これに経営者が反論してBPOに申し立てし、今なお審議が続いています。
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