●ステーキ
ステーキ肉 350g程度
塩 適量
オリーブオイル 大さじ1
ご飯 300g
サラダ油 大さじ2
にんにく 2片(薄切りにする)
ステーキしょうゆ 大さじ1
鰹節 4g
黒胡椒 適量
牛肉に薄く塩を振ります。ふつうステーキを焼くときは「常温に戻す」という調理工程を踏みます。常温に戻す、とは20℃程度の室温に肉を30分〜1時間程度置き、肉の温度を上げる工程です。しかし、厚さ1.5cmまでの肉であれば冷蔵庫から出し立ての肉のほうが上手に焼けます。
ステーキの基本は表面に香ばしい焼色をつけつつ、中心温度を60℃前後にすること。そのためには調理開始の温度が低いほうが温度が上がる時間を稼げる=肉の表面をよく焼けるからです。
中火で十分に熱したフライパンにオリーブオイル大さじ1をひき、牛肉を入れます。時々、牛脂を使うことが推奨されますが、焼きはじめの油はどんな種類でもかまいません。たとえ牛脂を使っても、オリーブオイルを使っても加熱によって香気成分は揮発するからです。
そのため今回は使いませんが、牛脂の甘い香りを肉にまとわせたい場合は仕上げに加えるのが効果的です。
火加減は中火のまま30秒経ったら裏返します。昔は「肉は強火で表面を焼き固めて肉汁の流出を防ぎ、裏返すのは一度だけ」というのがステーキのセオリーでしたが、現在は調理科学の第一人者であるハロルド・マギーが提唱する「Fast-Flip Method」(頻繁に裏返す方式)を採用するとよりジューシーに焼けることがわかっています。
『マギー キッチンサイエンス』(共立出版)には「(肉の焼き色を優先する場合は)1回か2回裏返すだけ」に「軟らかさとジューシーさを優先するのであれば、1分ごとに裏返す。頻繁に返せば両面とも熱を吸収したり放出したりする時間がない。肉は早く焼けるし、外側に火が通り過ぎることも少ない」とあります。
また、30秒経ったので裏返しました。ステーキを焼くのに適したフライパンの表面温度は220℃前後。オリーブオイルの発煙点(煙が出て分解がはじまる温度)が210℃なので、煙がうっすら上がるくらいが適温です。煙がたくさん出るようであれば温度が高すぎるので火を弱火に落とします。
ただ、日本国内で流通しているガスコンロにはSiセンサーという鍋底の温度が上がると自動的に火を弱火にするセンサーがついているので、中火のままの火加減でも温度コントロールをしてくれます。30秒経ったら裏返すことを計5回(トータル2分30秒)繰り返しましょう。
時間になったので取り出します。ただ、まだ焼き上がりではありません。
温かいところで肉を休ませます。高温で焼く方式の場合、熱が中心に伝わるまで時間が足りないので温かい場所で休ませる必要があるからです。肉の表面の温度が内側に移動し、外側の温度は下がります。温度が下がるにつれて肉の構造は硬くなり、水分保持力が上がります。したがって肉を休ませると切りやすくなり、切ったときに流れ出る肉汁の量も減ります。
レストランのキッチンにはコンロの上の棚など40~45℃くらいの温かい場所があるのですが、家庭ではこの温度を確保するのがむずかしいところ。そこで、さきほどまで調理した五徳の上にバットを置くと、バットの底が手で触れるくらいの温かさになるはずです。この温かい状態で肉を休ませているあいだにガーリックライスを作りましょう。
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