事業が成功し拡大を望むならば、会社は人を増やしてさらに成長を目指すことでしょう。そして、従業員に仕事を任せて、経営者は経営のコアな部分に注力すると、更なる飛躍が望めるのです。
しかし、多くの会社がこのセオリーどおりにいっていないのも事実です。
実際に私が相談をいただくケースでも、「仕事を部下に任せたいのだが、スキルが追いついていない……」「仕事がこなせるようになって、全面的に任せようと考えていたら、退職届が出てきた……」。こんな声が多いのも事実です。
大企業なら多くの社員の中で選抜して管理職を育てるので、代わりの人材にシフトすることは難しいことではありません。しかし、中小企業ではそんなことは簡単にはできません。ギリギリの人員で仕事を回しているし、人材教育への投資も限られています。そんな厳しい状況で仕事を動かしているのです。
仕事が任せられないのであれば、上司自らが動くしかありません……。しかし、これではまるで仕事を大きくするチャンスを自ら潰しているようです。
部下への部下の任せ方
ここで考えなければいけないことは、仕事を部下に任せる、その任せ方です。
仕事を単に丸投げして「あとはよろしく!」と言っても、「私は社長に信頼されている」「ここは自分を高める大きなチャンス」と考えて動く人と、「プレッシャーに負けてしまう」「私はこんな仕事はできない」と考えてしまう人もいます。部下1人ひとりを見極めて仕事を任せましょう。
仕事で伸びる人には「本人のスキルより少し高い仕事を与える」ことで成長を促しましょう。また、プレッシャーに弱いタイプには「確実にこなせる部分」をお願いして、こなせたら次のステージに進んでもらいましょう。
それから、自分と比較しないようにしましょう。あなたが「コレぐらいは簡単にできる」と思っても、なかなかできない人もいます。多くの上司はそこで、「こんなこともできないのか!」とひとごとのようにぼやきます。しかし、それは上司の思い違いです。環境や状況が変われば、できること、できないことは異なります。この部分をよく理解して、部下の成長を促すことが重要なのです。
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