21歳「最底辺"地下アイドル"」襲った超過酷な現実 「騙す大人が多くて…」松山あおいの下剋上人生

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松山が自ら手掛けた代表的な作品が、アニメであろう。テレビ埼玉で放映されているアニメ『松山あおい物語』。2019年10月に第1期がスタートして、なんと今年第4期に突入しているアニメである。

このアニメ制作は松山自身が監督、脚本を手掛け、テレビ局へも自ら営業に回った。制作費もクラウドファンディングを活用し、ファンと一緒につくり上げてきている。

「あるとき、テレビ局の放送枠をスポンサードできることを知ったんです。それで1回でもテレビでアニメを流して自分の曲を流せばアニソンシンガーじゃん!って」

クラウドファンディングで400万円超の支援を集める

はっきり言えば、子どもでも思いつきそうな発想だ。だが現実的には、日々の生活のためアルバイトをしながら活動するフリーのソロアイドルが実現するには非現実的な話である。

「もちろんそんな広告費にかけられる大金はないので、クラウドファンディングを使ったところ、ファンの方が思った以上に応援してくださったんです」

2021年に行った、松山あおいオリジナルアニメプロジェクトのクラウドファンディングでは、なんと400万円を超える支援が集まった

「アニソンシンガーになりたい!」という想いで自らアニメを作って曲を流す。ここまでは思いつくアイドルもいるだろう。

だが、それを実行し、400万円もの支援を集めてしまったこの行動力は、ほかに例がないだろう。しかも、ひとりでだ。できそうでできないことを平然とやってのけるのが、松山の強みである。

テレビ埼玉で放送された『限界アニメ松山あおい物語』。クラウドファンディングの成功もあり今年で第4シーズンを迎える(写真:松山あおいさん提供)

また、クラウドファンディングの成功は、それまでにストリートや店頭で積み上げ、築き上げてきたファンとの関係性が強固であることを物語る

松山がファンとの時間を大事にするために続けたもの、それは配信アプリ「SHOWROOM」によるライブ配信だった。

毎日配信を最長で「1600日以上」続けたこともあるという。4年以上毎日、ライブ配信を続けた。その「継続できる力」も、もはや彼女の魅力のひとつなのだろう。

無いものは作る、作るためには続ける。チャレンジし続ける。そんな松山あおいの「クリエイティブ継続力」こそが、「最底辺"地下アイドル"」から大下剋上を成功させた秘訣なのである。

(この記事の後編:"最強アイドル"「超タフすぎるメンタル」の作り方

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松原 大輔 編集者・ライター

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まつばら・だいすけ / Daisuke Matsubara

富山県出身。編集者・ライター・YouTubeプロデューサー。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。大学卒業後、講談社生活文化局にて編集見習いとなる。その後、文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などで編集者・記者を経て、2018年に独立。書籍の企画、編集や執筆活動、YouTubeの動画制作・プロデュース、アーティストマネジメントなどを行っている。

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