カーシェア事業がオンラインだけでは不十分な訳 神奈川県に拠点となる新施設「モビラボ」開設

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キャンピングカーのカーシェアリングサービスや車中泊スポットのスペースシェアなどのサービスを行っているカーステイの新施設「モビラボ」(写真:Carstay)

カーシェアやクルマのサブスクリプションなど、インターネットを駆使した新しいビジネスは、クルマ関連でも続々と生まれている。ここ数年、需要の伸びが著しいキャンピングカー業界も例外ではなく、近年、ウェブやスマートフォンのアプリを利用し、車両のレンタルやカーシェア、車中泊スポットの予約ができるサービスなどが登場し、注目されている。

そんなウェブ系のキャンピングカー事業者である「カーステイ(Carstay)」が、2022年10月2日、神奈川県横浜市旭区に「モビラボ(Mobi Lab.)」という新しい施設をオープンさせた。

クルマのオーナー自身が愛車をキャンピングカーなどの車中泊仕様にカスタマイズするためのDIYスペースや、工具レンタルも可能なシェアガレージなどのサービスを提供するという当施設。また、同社サービスを利用する会員などが交流できるコミュニティ・スペースへの活用、さらに将来的には同社が販売を予定するオリジナル・キャンピングカーの製造拠点にもなるという。

インターネットを中心とした事業をメインに展開してきたスタートアップ企業の同社が、なぜ大きな投資をしてまで、リアルなスペースを用いた新規事業を展開するのか? そこには、顧客へのサービス提供に「オンラインだけでは限界がある」ことが大きく関係しているという。同社がオープン初日に実施した記者向け発表会を取材し、その目指す方向性や戦略、課題などについて聞いてみた。

バンライフを提案する「カーステイ」とは

モビラボ
モビラボの中にキャンピングカーが止まっている様子(写真:Carstay)

カーステイは、欧米などで近年注目されている「バンライフ」というライフスタイルをコンセプトに掲げ、2018年に創立したばかりの新しい企業だ。

バンライフとは、従来の家を基盤にした生活ではなく、暮らしの拠点はもちろん、仕事から旅行やアウトドアなどのレジャーまで、すべてをキャンピングカーなどのクルマ(バン)を使って行うというもの。日本でも若い世代を中心に徐々に注目を集めている。

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