スタバとブルーボトル「メニュー表」に見る戦略差 何気なく接しているが企業の工夫が詰まっている
メニュー表としては現在最もメジャーな形式だ。ただ画像を羅列するだけではなくDTPを駆使してデザインされ、その中に創意工夫を盛り込み、推しはもちろん「お店のすべて」をお客さんに伝えるという、大いなる意志を持ったスタイルだ。
メリットは「どんな食べ物なのか写真で伝わること」や「デザインを工夫して推しを目立たせることができること」など。
逆にデメリットは「情報量が多くて迷いやすいこと」「メニュー表のページ数が増えやすいこと」「テキストロール式に比べ、制作に写真やデザインの技量が求められること」などがある。
洗練と親しみやすさを両立したスタバのメニュー表
ここでは、スターバックス・コーヒーを例に考えてみよう。前述のブルーボトルと比べると、思った以上にグラフィカルであることがわかるはずだ。
シアトル系エスプレッソカフェとして1996年に日本デビューしたスターバックス。今や国民的カフェであり、都心はもちろん地方のショッピングセンターやロードサイドにおいても、老若男女に幅広く人気を博している。
コーヒーだけでなく多種多様なメニューで楽しませてくれる同店だが、日本上陸時から一貫して「やや難しい」メニュー名なのもその特徴ではないだろうか。
サイズ表記も一般的なS・M・Lではなく、ショート・トール・グランデ・ベンティという独自の呼称であることや、キャラメル・マキアート、ダーク・モカ・チップ・フラペチーノといった長いメニュー名は、初めてスタバに入った人には難しさや、とっつきにくさを感じさせる要素かもしれない。
しかし、メニューにアイコン然としたイラストや写真が添えられていることで難しさは和らぎ、未知のメニューをオーダーすることのハードルがグッと下がる。
そして、期間限定のフラペチーノを中心とした映える「推し」メニューをグラフィカルに見せてくれることで、トレンドに敏感な若者の心を掴むことにも成功しているのもポイント。
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